脳内ヴィジュアル系

好きなもの(主に音楽)への想いや出来事を、後日見返すための記録用として書いてます。

【舞台感想】2021年1月22日 チョコレートドーナツ

去る2021年1月22日、舞台『チョコレートドーナツ』を観に行きました。会場は梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ、です。

元々このブログはこの舞台の感想を書くために準備したものでしたが、時期が時期ということもあり、観た直後に感想を書いてもし自分が新型コロナウイルスに感染したことが分かったら色々ややこしいことになるな...(見知らぬ人から観に行ったことを攻められるのが一番しんどい作品は何も悪くないのに)...と思い、感染状況が落ち着いたらUPしよう、それまでに文章をちまちまと書き残しておこうと思っていたのですが、まとまらない文章を抱えたまま路頭に迷うことになり、気付けば2022年に突入していました。

私は元々2日間観劇する予定だったのですが新型コロナウイルスが猛威を奮う中、色々悩んだあげく1日だけ行くことにしました。

チケットの申し込みをしたのは2020年9月でしたが、その時は感染状況が落ち着いていたため、強気で2日間申し込みました。子役がダブルキャストなので両バージョン見たかった...という理由もあります。また、このチケットを申し込むために少年隊のFCに入りました(しかしその約二週間後、錦織さんと植草さんの退所をお知らせするメールが届いてかなり驚きました...)。ところが冬に近付くにつれ、どんどん新型コロナウイルスは猛威を奮い始め、仕事を休む訳にはいかないから密な場所(つまり劇場)は避けたいし、でもせっかくFCに入ってまで取った良席のチケットを無駄にしたくない、どうすれば...と観に行く前日まで毎晩悩み続けました。本当は毎日ワクワクドキドキしながら観劇当日を迎えたかったのですがね(でもたいていの人はこんな気持ちで当日を迎えたはず&憎いのはウイルスです)。

個人的に、今のご時世空席が出来るのは仕方のないことだと思っています。それに、私の大学時代の恩師が以前『チケットは購入した時点で観に行かないという権利も所有している』とのたまっていたので、その言葉を信じて、行くor行かないは自分で決めることにしました。

結果、チケット記載の座席番号と会場の公式サイトから見れる座席の位置情報を照らし合わせてみたところ、22日は通路側、もう1日は前後左右が席に囲まれていることが分かりました。通路側なら隣に人がいないので密にならないな...最悪隣が喋ってても通路側に顔を向けていればいいし...と判断し、22日だけ行くことにしました。

観に行くのは1日だけ...と決めたことも影響したのか、結果的にものすごく集中して舞台を観ることができました。ストーリーの流れはあやふやなところもあるのですが、場面場面の情景はしっかりと覚えてますし(細かい部分はあやしいですが...)1年経った今でも割りとハッキリと脳裏に焼き付いて鮮明に思い出すことが出来ます。

そして偶然にも1年後の2022年1月22日には同じ少年隊のメンバーが絡む舞台『フランケンシュタイン-cry for the moon -』を観に行くことになり、新たな感情が芽生える前に、まだ覚えているうちに1年前の舞台の感想をやっぱり残しておきたいな...と思い、『チョコレートドーナツ』の感想文を仕上げることにしました。あと、覚えているついでに、印象的な場面のイラスト(挿し絵)も描いて載せてみました。この舞台は円盤化も配信もされていないので記憶の中にしか残っていないビジュアルなのですが、忘れないための記録用として描きました。なので実際に観劇された方には『嗚呼、こんな場面もあったよね!』と懐かしんでいただけたら嬉しいな...と思って載せました。画力が乏しいのでアレですが、雰囲気だけでも伝わったら嬉しいですね...

さて、そろそろ本題の感想文に入りますが、以下に続く文章はあくまでも一人の舞台観賞初心者バンギャの感想であり、ネタバレも大いに含みます。私の基本の推し活スタンスとして、好きなアーティストを盲目的に愛している訳ではないので、(愛はあるけど)ちょいちょい強めのツッコミが入るかもしれません。あと、文章を書いてる私の根本がいにしえのバンギャなので、色々な例え話にヴィジュアル系バンドが絡みがちです。苦手な方はここで引き返すことをオススメします。何でもOKな方だけ、お進み下さいませ。

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■基本のストーリーについて■

舞台『チョコレートドーナツ』は同じ邦題の洋画が元ネタとなっています。映画のストーリーは映画のオフィシャルサイトに載っている『ABOUT THE MOVIE 』を見ていただけるとよいかと思われますが、簡潔に述べると『70年代のアメリカで起きた実話を元にした映画で、ゲイのカップルが育児放棄されたダウン症の男の子に出会い、三人で一緒に暮らすことを夢見て奮闘するストーリー』と言ったところでしょうか。映画のベーシックな知識だけを元に、映画は観ずに舞台を観賞したのですが、思っていたよりもピュアな内容で、ゲイ・ダウン症育児放棄というセンシティブな設定を抜きにしても、個々のキャラクターが魅力的で味わい深い作品だな、という印象を持ちました(この設定がストーリーの根幹だということ、その設定を抜いたら意味がないということは分かってますが、例えて言うならToshIはX以外の歌を歌っても人の心を震わせられるよね...みたいな話ですよ)。

主な登場人物は以下の3人です。

■ルディ(主役・シンガーを夢見る場末のドラァグクイーン・舞台では少年隊の東山紀之さんが演じている)
■ポール(ルディと恋仲になる相手役で過去に結婚歴あり・セクマイの性自認は最近と思われる・ルディが『動』『情熱』ならポールは『静』『知的』というイメージ・舞台では俳優の谷原章介さんが演じている)
■マルコ(ルディの住むアパートの隣の部屋に住んでいるダウン症の男の子・母親から育児放棄される・舞台ではダウン症の男の子がオーディションで選ばれダブルキャストで演じた)

舞台はポールの独白のようなナレーションから始まりますが、すぐに場面が展開し、ルディがドラァグクイーンとして働くショーパブで、二人が出会うシーンに切り替わります。

さて、出会ったその夜、ポールはルディの家にやって来るのですが、そこで偶然二人はマルコと出会います(展開早っ!)。

ルディの隣の部屋にジャンキーな女性が住んでいて、その女性が警察に連れて行かれたのですが、女性の部屋に子供が居ることが発覚します。ルディも『まさか子供がいたなんて!』と驚きます。

一旦ルディがマルコをかくまうのですが、やがてマルコは公的な人たちに連れて行かれます(たぶん施設的なところへ)。
ルディは一時的に助けただけと言ったので誘拐犯として捕まることはなく、ポールもほっと胸を撫で下ろします。

やがてルディは何とかしてマルコを引き取りたい、ポールと共に三人で暮らしたいと言い、ポールの知恵を借りて、ルディとポールはいとこ同士ということにして、マルコを引き取り、三人で暮らすことになります。

しかし、やがてルディとポールがいとこ同士ではないことがバレてしまい、マルコは施設へ連れ戻され、ルディとポールはマルコを奪還するべく、裁判所で戦うことになります。

しかし世間の偏見と差別の目には抗えず、ルディとポールはマルコを迎えることが出来ず、そして予想外の出来事が起こってしまい、物語はバッドエンドで終わります。

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さて、ここからが私個人の感想です。
時系列めちゃくちゃで散文的ですが、印象的なシーンごとに分けて書きました。
このシーンのルディが最高だったとか、基本そういうことしか書いてません。予めご了承下さい。

■印象的なシーンその1(ルディ爆誕)■
爆誕...というか、ルディ初登場シーンです。ルディが視線でポールをロックオンし、ポールも舞台上のルディに一目惚れした模様...というシーンなのですが、ババーンと出てきたルディのオーラが凄すぎて&東山さんを生で見たのが初めてだったので『うわあうわあ本物だあうわあ』と脳内が騒がしかったです(苦笑)。顔ちっさいし足がスラリと長くてキレイだし(長いスリットが入ったドレスを着てガーターベルトが見えている)、スポーツ新聞などに載った初日の写真を見ると割りとケバいメイク&ヘアスタイルなのですが、それを着こなしてるんですよね着られてるんじゃなくて。めちゃくちゃデコラティブなんですけどカッコよかったです。わたくしも20代の頃はちょいちょいクラブへ行ってドラァグクイーンが踊るのを間近で見てましたが、こういう伝統的かつオーソドックスなドラァグクイーンのショー(有名な曲を数人で振りを合わせて口パクで歌って踊る)を見たのはおそらく初めてで、劇中劇ではありますが、当時のドラァグクイーンのショーってこんな感じだったのかなぁ...と感慨深いきもちになり、心の中で合掌しながら見てました。色んな意味で貴重なものを見せて下さってありがとうございます...


■印象的なシーンその2(ルディの性格)■
ルディとポールがマルコの今後を話し合うシーンで『施設なんて、とんでもないところよ!』という感じのセリフを、荒ぶる感情のままにルディがポールに向かって言う箇所があります。

ルディはポールと知り合って間もない頃『自己紹介の歌』を歌うシーンがありますけど、あんまり過去のことを掘り下げてはいないんですよね。一応ルディは施設で育った...というバックグラウンドがあるのですが、劇中ではあまり触れられてはいません。でもこのセリフがあることで、ルディは施設育ちで、その施設であまりいい待遇を受けてなかったんだろうな...マルコをそんな目に合わせたくないんだろうな...という印象を観る側にうっすらと持たせることが出来ます。自己紹介の歌は基本的にポップで難しい言葉は出てきませんし、親近感が沸くような内容になっています。ルディのパーソナリティーについては冒頭のナレーションでも説明はなく、誰かが勝手に語り出すこともなく、言葉での説明が少ない分、歌でそれとなく観客に教えてくれます。また、歌を介して伝えるので、セリフとかナレーションで言われるよりも悲惨な感じが薄らぎます。こういうの、ミュージカルならでわの表現方法で面白いなぁ...と思いました。

物語の中盤くらいまで見て、ルディという人間が何でも直感で動く人、というのが何となく伝わってきました。一目惚れしたお客さんの誘いに乗って(ルディが誘ったとも言える)自分の家に連れて来ちゃうけど、初対面のとき『私は安くない』って言うし、いざ連れてきても『(客を)家に連れてくるなんて初めて』とか言うのです。普通、仕事にプロ意識があって、お客さんとの距離をちゃんと保つぞっていう強い意思やプライドがあるのに、それを飛び越えてものすごく一目惚れして好きになってしまった人がいたら『私はプロなのに客に手を出すとか何やってんだか...』みたいな心の葛藤とかあるはずなのにルディにはそれが無くて、ステキ!カッコイイ!とりあえず連れて来ちゃった!だって私がステキって思ったからこの行動は間違いじゃないの!みたいな感じになります。

情熱的で、自分に正直で、飾らなくて、真っ直ぐで、後先考えてなくて...まるですべての言動が、気の向くまま歌い踊るかのよう。だからマルコに対しても、あんな母親のところに戻すなんてあり得ない!助けなきゃ!てなるんですよね。直感で動いてて、細かいことは気にしない。ルディのそういう性格は、自分の性自認が揺らいでいる&世間の目を気にしてしまうポールには眩しかったのだと思われます。だからルディの生命力の強さみたいなものに惹かれたんだろうし、ルディの存在がポール的に大ヒットした理由はそこなんじゃないかな...と思うのです。

あとはマルコの『人形が好き』てところにシンパシー感じちゃうルディが可愛かったです。わたしも普段はお人形さんみたいな格好してるのよ今はこんなだけど、て語りかける部屋着&すっぴん(という設定)のルディがちょう可愛かった。うんうん。その辺のお人形さんより断然可愛いよ抜群に可愛いよ可愛いさの権化だよ奇跡の54歳だよ...と無条件うなずきロボットと化すわたし。ルディって内面から可愛さがにじみ出てる気がするのです。それが、モロに男性ホルモンつよつよ肉体の東山さんが演じることによって、よりいっそう内面の可愛さが浮き彫りになる気がするんですよね...

終わりはバッドエンドですが、この舞台自体はあまり悲観的すぎる&お涙頂戴な雰囲気ではなかったです。後半はまあまあ暗いですけど、でもいやらしい暗さではなかったような。それはこんな魅力的なルディを用意して下さった亜門さんの演出によるところなのでしょうね(この件については後にドキュメンタリー番組でその真相を知ることとなりましたが、やっぱり意識してそういう方向にもっていったそうです)。


■印象的なシーンその3(ルディのビジュアル)■
さて、物語の途中(でもまだ序盤?)でルディとポールはマルコのことを巡って意見が対立してしまうシーンが出てきます。そしてポールがルディに謝りに行く(ルディの職場にアポなし突撃する)のですが、舞台上ではルディが職場のステージでショーのリハーサルをやっている場面に切り替わります。その時の衣装がとんでもなくセクシーなのですが、まずポリスハット、短いジレもといベスト(前はだけてる)、パンツ(短パンじゃなくてハイレグみたいなパンツ)はすべてエナメル素材。黒のロングブーツに黒髪超ロングのウィッグ。そして極めつけの短鞭。要するにボンテージファッションです。

この鞭がバラ鞭や一本鞭じゃなくて短鞭っていうのがすごくセンスあるっていうか、東山ルディの美しさをより引き立たせてたし、似合ってたし、ただひたすらに萌えました(合掌)。SMっぽさを出すならバラ鞭や一本鞭のほうが派手だし分かりやすいけど、あえてそっちじゃなくて短鞭っていうのがいいよね~とニヤニヤしました。おそらく短鞭である理由は小道具として扱いやすいからなんでしょうけど、嬉しかったですありがとうございました(性癖にクリティカルヒット大御礼そして大感謝)。

わたしはバンギャなのでこういうビジュアル(ボンテージファッションを綺麗な男の人が着る&生足を披露する)は10代半ばの頃からしぬほど見てきたのに、そのどれとも違う、あまりにも完成された肉体美に、あまりの美しさにひれ伏すしかなかったです。男性的な美しさと、女性的な美しさの調和が、バランスが絶妙で、それが1人の肉体に宿っているのです。途中でポールと会話しながら衣装を次々と脱いでほぼ裸になるシーンも出てくるのですが、裸だからエロの要素はあるはずと頭では分かっているのに、あまりにも肉体が美しすぎて、エロいのかエロくないのか、頭の中がバグってしまい、よく分からなくなってきました。いや、エロいんですけどね。でも美しさに圧倒されたっていうか。東山さんの肉体ってエロさをエロさで消す、みたいな独特の手法があってですね...あの身体にしかできない贅沢なんですよ。血で血を洗う、みたいなね。エロスの向こう側みたいな光景が広がってるんですよ。だから結果的にエロく感じないというか、お上品だな...綺麗なもん見たな...という後味になるんですよね。

ボンテージファッションで踊っているシーンは1分あるかないか、くらいの短いシーンでした。躍りも、ブーツ(たぶんハイヒールのブーツ)を履いてしかも階段の上なので激しく動くことができずゆるいダンスなのですが、めちゃくちゃ網膜に焼き付けてきました。そして、内腿(うちもも)がふるえるのを見たのですが、あれは忘れられないトラウマ級の思い出になりました...。

大学時代の恩師(♀)のエピソード第二段になるのですが、恩師がよく『安室奈美恵の内腿が好き』とのたまっていて、ライブでは内腿をガン見していたらしいのですが、その気持ちがやっと理解できたような気がしました。内腿っていいですね。特に身体が引き締まったひとの内腿は最高だな。絶景だな。

東山ルディはパーフェクトボディーなんですけど、ダンスのときに内腿がふるえるんですよ。おそらく贅肉じゃないんでしょうけど、あれすごくよかったです。このひと人間なんだ、って実感しました。生々しいリアルがそこにありました。ありがとうありがとう...と心の中で手を合わせて拝んでおきました(内腿をね)。

そんなパーフェクトボディーの東山ルディはしかし、想像していたよりも腹筋バキバキではなかったです(ちゃんと割れてはいますけどボディービルダーみたいな感じではなかった)。おそらくパンプアップしてないんでしょうね。そもそもルディが腹筋バキバキのキャラではありませんからね。あくまでもシンガーを夢見てる場末のドラァグクイーン、という役ですから。体を鍛えまくっているダンサーではありませんから。そこは配慮してるんでしょうね。でも、パンプアップしてなくても、身体が引き締まっているのは一目瞭然でした。そして胴回りがよき...重い筋肉が詰まってる感じがたまらないですね。わたしは男の人に関しては身体が細いっていうだけで1mmもエロスを感じられない性癖&胴回りの太さフェチの人間なので、胴回りもちゃんと拝んでおきました。ありがとうありがとう...

さて、アポなしで訪れたポールによってリハーサルを中断されたルディは怒ってしまいます(そりゃそうだ)。怒っちゃうけど、ポールは『この前はごめん!』て感じでルディに謝り倒します。ルディはベストとポリスハットを脱いで、パンツとブーツと黒髪ロン毛ウィッグだけの格好(つまりほぼ裸)になると『フンッ!』て感じでステージ上を斜めに歩いて奥の方へ移動し、客席に背中を向けたまま大きな仕草でガウンを羽織り、生着替え終了のお知らせ...となります(ウィッグもガウンを羽織る前後で外していたような...?ブーツもどこかで脱いでましたよね奥の方へ移動したときかな...?)。

もしも私がポールなら、ほぼ裸となったセクシールディを一目みて『なんて刺激的で魅力的なんだルディ!最高!』みたいなセリフ(洋画の吹き替えっぽいセリフ)でルディの前にひざまずくレベルですけどポールはルディの容姿を完全スルーです。褒めもしないし、驚きもしない。なんでだろう、ってずっと思ってたのですが...そっか...ポールはルディのパーフェクトボディーを知り尽くしている仲なんだよね...だから驚かないんだね...ということに気付いてしまいファアアア公式いいいいい!?!?てなりました(騒がしくてスミマセン)。

ありがとう素敵な夢を見せてくれてありがとうセクシーサンキュールディ...

ポールのアポなし訪問後、お店で二人きりになるとルディは青緑色のガウンを羽織ったまま自己紹介の歌を歌うのですが、ピアノ(グランドピアノではない)の上に乗ったり、仰向けに寝そべったり、ストリップショーみたいに両足をご開帳したり、終始楽しそうに振る舞います(ずっと歌いながら妖精みたいに踊るように舞台上を動いている)。わたしのこと、もっと褒めて(ニコッと笑顔)、みたいなセリフをさらっと言うのです。ヒャアッ...カワイイ...キュン死...もう一度あの可愛いルディを拝みたいですね。


■印象的なシーンその4(ラブストーリーなセリフにドキッとした)■
印象に残っているシーンといえば、長い話のあと、話の流れで『一緒に暮らさないか』てポールに言われてルディ聞き返す⇒ポールが難しい言葉で言い直そうとする(普段堅い職業だから自然と難しい口調になってしまうんだと思われる)⇒『あなたの言葉で言って』みたなことを言うルディがちょう可愛かったです。あ、この話ってラブストーリーなんだなあ...ということを思い出した瞬間でした。重いテーマですけど社会派ドラマみたいな内容ですけど、根底はラブストーリー(というか一人の人間が葛藤しながらも愛を探す話)だと思うんですよ。それを、ルディの可愛さで時折ハッと思い出す瞬間が楽しかったですね。


■印象的なシーンその5(ジーンときた場面)■
最近はどんな映画を見ても割りとよく泣く私ですが、この舞台では泣きませんでした。理由としては、感染のことが気になりすぎてたっていうのが非常に大きいですね。後ろの席の人が咳き込むたびにヒヤヒヤしたし隣の席の人は開幕前ずっと喋っててハラハラしました。でも、物語の終盤、ルディが迎えに来るのを信じてステージの上の方でマルコが帰り支度をするシーンではジーンときました。もしリラックスして見てたら間違いなく号泣してましたね(あれはあかんて泣くって...)。マルコもルディもお互いに惹かれ合うところがあるんだろうなあ...て思わせるシーンでした。マルコとルディって親子のようでもあり、友達でもあるような気がします。マルコのことを想うルディの姿は親のようにも見えるけど、自分自身の境遇(施設に入る)に重ねてマルコを『守らなきゃ!』と立ち向かう姿からは困っている同志を助けようとする友情を感じました(あくまでも私には)。マルコは健気でルディは情熱的っていう対照的な性格なんですけど、二人は気の合う友人関係にも見えるんですよね。年齢差はあるけど、ルディがマルコを想うとき、ルディはマルコの目線に降りてものを見ているような気がするんですよね。そこもなんか、凄くいい関係だなこの二人は...て思いました。ポールと三人でずっと一緒に暮らして欲しかったよねまじで...

あと、裁判の時にみんなの前でポールが、ルディとはカップルだということをカミングアウトしたとき、ルディが手を口元に当てて『ヒャッ』て感じの表情するの、めちゃ可愛かった。ちなみにこの仕草は映画『おとなの事情』でも出てきましたね。きゃわ...


■印象的なシーンその6(よく分からなかったシーン)■
あの...1ヶ所だけどうしてもよく分からないところがあって。

ルディが裁判で証言していたときのことなんですけど、ルディは『マルコの前で裸を見せるのか』『女装するのか』等々聞かれてたとき、マルコはお人形が好き、そのお人形は女の子...という箇所で突然ルディが『ガビーン』みたいなリアクションになったの、あれは何を意味してたんだろう。全然ピンと来なかった...映画を見たら分かるのかしら。わたしの想像力が乏しい&わたしのセクシャリティや性癖のせいで理解が追い付かなかったからなのでしょうか。あそこだけ1人ポカーンとなってしまいました(でも舞台はサクサク進みます)。何度か見たらピンと来たのかもしれませんね。まだまだ修行が足りませんね私は。


■印象的なシーンその7(授業参観エピソード)■
マルコの授業参観にも一緒に行ってた、みんなビックリしてた...ていうエピソードが裁判の証言のシーンで出てきますが、その理由はゲイのカップルだからというよりルディの美しさに保護者の方々はビックリしてたんじゃないかしら(ポジティブ)と考えたのは私だけではないはず。うん。きっとそのはず。私なら余裕でビックリするし気になって落ち着かないよ。あんな美人が隣にいたら。それは授業参観に限った話ではないけれども。


■印象的なシーンその8(悲しみピンク)■
ルディがドラァグクイーンのショーで、ピンクの衣装(鳥の羽の巨大扇子でドレスのスカートつくるやつ)のシーン、あれは場末感がすごく出てて、ピンクなのにくすんで悲しい雰囲気がすごく出ててよかったなあ...と思いましたがわりとあのシーンを可愛かったとおっしゃってる感想をTwitter上でチラホラ見て『そ、そうなのか!?』と戸惑いましたが...面白いですね。色んな感想を読むのは楽しいです。あのシーンって何であんなに悲しかったのか前後のやりとりをうっすらとしか覚えてないんですけど(ダンサーのコたちと揉めた後だっけ?マルコと離ればれになった直後だったような?)、悲壮感をピンクで表現するの、斬新でカッコいいなあと思いました。


■印象的なシーンその9(寝室イリュージョン)■
ルディがマルコと離ればなれになった後、寝室のベッドでポールと寝ていると、ふと幻のマルコが寝室に現れてルディは目を覚まし、二人はキャッキャウフフと戯れたのですが不穏な気配と共にマルコが家具の中へ消えてなくなるシーンのやつ、すごくよかったです。舞台ならではの演出だなって思いました。ファンタジーなんだけどヒヤヒヤして、ゾッとして。音楽もポップな雰囲気から徐々に不安感を煽るようなものに変わって行って。あそこの演出、切なくて好きですね。

あと、イリュージョンではないけど寝室で、ポールがルディに『愛してるよ』って言ってベッドの上で頬にチュッてするやつめちゃ可愛かったです!二人とも身体も顔も正面を向いてるからあんまり『二人の世界』って感じのシチュエーションじゃないんだけど、すごくハートフルな場面でよかったですね。ほっこりしました。


■印象的なシーンその10(キャリーという名脇役)■
キャリーは舞台版のオリキャラだというのをどこかで見た気がしますが、とても魅力的なドラァグクイーン(ルディの同僚)でした。ルディがセンターだとしたら、キャリーはバックダンサー的なポジションです。でもめっちゃ華があるし可愛いし声が特徴的&ギャルっぽい喋り方で印象に残りました。ルディに嫉妬してキツいセリフを吐いたりするシーンもありましたが、根は優しくていいコでしたね。ビジュアルも可愛くて、以前も違う舞台(キンキーブーツ)でドラァグクイーン役をやってたらしく、ダンスはとてもサマになってました。ハマリ役でした!

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■歌についての感想■

・「Come To Me」
ルディがババーンと初登場した時にドラァグクイーンとして口パクで歌い踊っている曲です。フランス・ジョリというアーティストの有名な楽曲でAメロの時点で『あ、なんかどっかで聴いたことあるかも!』という印象の曲。英詞を残しつつも和訳されてます(今回の舞台で使われている洋楽の歌詞はすべて及川眠子先生による和訳っぽい)。元気いっぱいでキラキラ明るいポップな、200%アメリカって感じの曲。サビの『That I love you』『And I love you』を『あいーしてーるーぅー♪』と和訳してて、それがなんかすごくバブリーでいい。恋愛パワー炸裂女子って感じの、力強さしかない曲。ルディのポジティブなキャラにものすごく合ってます。こりゃポールも落ちますわ...という説得力あふれる一曲ですね。

・「Love Don't Live Here Anymore」
マルコと離ればなれになった後、『愛なんて、どこにもないの』と歌うルディの切ない歌声が胸に染みる一曲。ローズ・ロイスというグループの楽曲のカバーなのですが、この曲を歌うルディがすごく切なくて悲しくて美しくて、最高というか至高でした(これは口パクじゃなくて生歌)。映画チョコレートドーナツの楽曲といえば「I Shall Be Released」が有名ですけど、東山ルディ版は断然「Love Don't Live Here Anymore」を推したいですね(苦悩する役が似合う東山さんなので、この楽曲がハマってて最高でした)。シリアスで静かなシーンで、ピアノの伴奏とルディの歌だけっていう、ごまかしのきかない場面での大切な一曲。歌と歌詞とシチュエーションとキャラの感情すべてが一つになって、輝いていました。ひたすら美しかった。一度しか聴いてないのにずっと『愛なんて、どこにもないの』という歌い出しが、メロディーが脳裏に焼き付いて離れないのです(このワンフレーズのインパクトが強すぎて他の歌詞は忘れた...)。舞台を見終えてからはパンフレットに挿入歌の情報が載っていたのでそれを頼りにネットで検索し、マドンナがカバーしたバージョンを見つけて、それを1年経った今もサブスクで聴いてます。ちなみに東山ルディ版はローズ・ロイスの原曲よりもマイナー調にアレンジされてます(BSでたまに再放送されている舞台のドキュメンタリー番組でちらりと聴けます&マドンナがカバーしてるやつもマイナー調なのでそっちの方が近いかも)。これ、普通に東山ルディ版を音源として聴きたいんですけど、どうにかならないかしら。舞台版のサントラ出して下さいライブ版でもいいので...むしろライブ版がいい...記録用に誰か録音してますよね...ね?(切実なオタク)

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■キャラクターについての感想と、改めて感じる中の人の魅力について■

ルディは明るくて素直な性格。施設で育って親の愛情を知らないという設定ですが、職場の面々とは家族のように仲良しだし、愛情がどういうものかも自身の経験で知ってるっぽいですね。周囲との人間関係も良好そう。でも施設はひどいところだと言っていたので、幼少期はあまりいい思い出がなかったのかもしれないです。でもそんな辛い幼少期を生き抜いたたくましさを持っており、自分のセクシャリティが少数派という自覚はあるものの、そんな自分のセクシャリティを理解してくれる仕事に付いており、そのせいか、割りと人前では堂々としていて、差別に対しておかしいと声を上げられる人です。たのもしい&たくましい&ポジティブ...ルディはそんなキャラですね。普段感情抑え目の東山さんが演じることで、中の人とのギャップもあり、とても魅力的なキャラクターに仕上がったなぁと思いました。そして、映画版はこれまた違う感じなんだろうと思いますし、是非映画も観てみたいですね。

一方のポールは、過去に異性(女性)と結婚していた時期もあり、登場時は自分のセクシャリティが揺らいでいるような人で、ルディとは対照的に大人しくて、堅い職業や既婚時代の名残なのか世間体をものすごく気にする人として描かれています。でもルディに一目惚れして以降は、喧嘩しつつも振り回されながらも、ルディのよき理解者になろうと奮闘します。いつもルディを抱き締められる距離にいる、頼れるパートナーですね。ルディとは凸凹コンビみたいな組み合わせですが、すごく合っているなと思いました。映画版のポールも気になるので、こちらも観て違いを楽しみたいですね!


ルディを見ながら、好きなひとが出来ると人は強くも優しくもなれるし、自分の気持ちのままに生きる人はあやういけどかっこいいな、人は出会いがすべてだな(生まれた環境が人生に大きく影響することは間違いないけどその後どういう人と出会うかで人生は大きく変わるものだな)、としみじみ思いました。ポールがこのタイミングでルディと出会って性自認を更新したのも何かの縁でしょうし。でもマルコが幸せになるにはどうすればよかったのか...時代のせいにしたくないよね...と思いつつ、カーテンコールの時の3人の姿を思い出しては胸が切なくなります。あのカーテンコールの姿が当たり前になる世界になればいいよね、カーテンコールにあの姿を持ってくることにすごく意味があるよね...と三人の笑顔にしみじみと想いを馳せるなどしました。

東山さんの魅力って、肉体はモロ男性なのにフェミニンなオーラがあるところだと思っています(あくまで私個人の意見です。そんなもんねえよどっからどうみたって王子様一択だろ!というお叱りの言葉甘受しますそれも正しい見解だと思います)。その『肉体はモロ男性なのにフェミニンなオーラ』というのは身体は鍛えて絞ってバキバキなのに歌声はやわらかいとか、時代劇やナレーションでは渋め&重い声も出せるのに歌声は吐息多めでソフトなところとか、他にも心当たりがありますけどそういう『外見と内から出てくるものが合ってない』『時と場合によって内から出てくるものが真逆』なところ、要するにアンビバレントなところ、二面性なところを指しています。しかも、当たり前のことですが自然とそうなっているのです(わざと使い分けられるほど器用な人ではない)。それは『いろんな魅力があって人間的に豊かでカッコいい』と言うよりも『対になる魅力を横に並べて同時に出してきて“このひと一体何者なの?”と相手を混乱させてくる』という感じですかね。その違和感こそが魅力であり、ものすごくたまらないのですけど、だからこそルディがすごくハマってたなあ...と思うなどしました。ルディも異なる魅力を同時に出してくるキャラクターだなと思ってます。東山さんが演じているので体型はめちゃくちゃ男性で(タンクトップの時の肩の筋肉最高)、でもそんな外見のまま中身はキャッキャウフフな乙女心が全開だったり、裁判に対してもふざけている(何度かポールに怒られるシーンあり)と思えばシリアスな態度に切り替わったり...。でもルディならではの魅力もあって、観ている側はルディのくるくる変わる表情や、感情的な性格に終始翻弄されたと思います。演じている東山さん自体は普段のブログでも口下手だしメディアに出る際もあまり我を出さないタイプなので、こんなに感情の出し方が真逆なキャラを自然と演じるの、面白いなあ貴重だなあ...と思いました。

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■ストーリーについての感想■

この作品はよく『実話がベースになっている、ゲイのカップルが育児放棄されたダウン症の子供を引き取って育てようとする話』と紹介されます。社会的マイノリティに向けられた差別や偏見は存在するし、その事実と向き合い、様々な人が暮らす社会の中で個々の幸せを守るにはどうすればよいのか観る側に問い掛けてくる話...ということなんでしょう。舞台を観た上で改めて感じたことは、子供の幸せを守ることができるのは大人だけどその大人はちゃんと子供を守れる社会を作っているのかしら...?というシンプルな感想でした。

今のところ人間は男女の組み合わせから産まれてくる生き物(不妊とかの問題は今は横に置いておきますね)なので、男男や女女のカップルは自然じゃない⇒受け入れられない⇒理解できない、とする意見を目にしたりうっかり聞いたりするといちおうわたしも完全ストレートの人間ではないのでそれなりに傷付きますけどもう大人なので、理解できないと言われても『そうですか、そうでしょうね』と思うしかないです(意見が通らない人を説得するには愛がいるけど見ず知らずの人にそこまでの労力は割けないので)。でも、理解できなくてもいいので、そういう人が現実にいるってことは認めてあげてもいいんじゃないかな...って思うんですよね。誰が親であっても産まれてきた子供は無条件に愛されるべきだし、愛してくれる親と愛される子の間に血の繋がりや親の性別は関係ないと私はマジで思っています(あと親子でも相性はあるので『親子だから仲良くしないといけない』は呪いになるしまあそのへんは漫画「フルーツバスケット」を読めば分かる話なのでここでは割愛しますね)。もちろん男と女は違う生き物なので『男も女も同じだよ』とは思いませんが、子供を愛する人に性別は関係ないし、ちゃんと子供のことを想って大切に育ててくれるなら親になるのが男男や女女でもええやんけ!と、この舞台を観ながら思うしかなかったですね。

そしてマルコ実母の身勝手さにイライラするけど実際にこういう人は居るんだろうし、だからこそ虐待のニュースが耐えないんだろうし、でもマルコ実母も一概には責められないんだよね...夫に逃げられてハンデを持った子供をワンオペ育児でやらないといけない状況っていうストレスフルな日々...そりゃ育児ノイローゼになって子供を責めたくなっても仕方ないよな、と思います(でも薬物も育児放棄もアウトだと頭では分かってますよ)。マルコ実母がマルコを悪く言うたびに、アンタが今とても残念な状況にいるのはマルコのせいじゃない、マルコは悪くないんだよ!と言ってやりたい気持ちをぐっとこらえつつ、でも母親への同情の気持ちもありつつ、何とも言えないやるせない気持ちになりましたね(もし自分が同じ立場なら子に当たり散らすことなく一人で働きながら身近に相談できる人もいない中でハンディキャップのある子供を育てられるんだろうか...そんな自信ないな...と思ってしまうので)。そしてもしもルディとポールが男男じゃなくて男女のカップルだったら、いとこ同士という嘘を吐かなくてもマルコはすんなりと二人に引き取られていたのかもしれないな...と思うと、ものすごくやるせない気持ちになりました。同性のカップルが存在すること、認めてあげてよファンタジーじゃないんだよこれは現実の問題なんだよ...と心の中で一人文句を垂れていました。

そして物語のバッドエンドのあと、ルディとポールは二人で仲良く幸せに暮らしているんだろうか...とそんなことを心配しては胸が切なくなりました。きっとルディとポールなら、いつまでもマルコのことを家族だと思ってくれるよね、それならマルコも寂しくないよね...と思いつつ。うん。切ないね...

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■挿し絵■
切なくなってしまったところで、最後に挿し絵を3つほど。画力の乏しさについてはお許し下さいませ(あくまでも雰囲気だけ伝われば...)。

ハロウィーンパーティーに登場したアダムスファミリーのモーティシアにしか見えない美魔女な東山ルディ。足元は黒いハイヒールを履いてた。スタイルよすぎて紙に収まり切らなかった...。

こちらは悩殺ボンテージ衣装の東山ルディ。短鞭が素晴らしいチョイスなやつ。手袋していたような...していなかったような...?ため息しか出ない美しさ。実際の東山ルディはこの5000倍美人。

髪をかき上げる仕草のやつ。こんなシーンありましたよね?私の席からは逆アングルなんですけど、こっち向きの方が描きやすかったので右から見たアングルになってます。

はあ...ルディが素敵だったな...また会いたいな...

・・・・・・・・

以上、舞台『チョコレートドーナツ』の私的感想文でした。
長々と、とりとめのない文章になってしまいましたが、読んで下さってありがとうございました!多謝!

【ドラマ】ザ・シェフの感想文など(2)~これは味沢さんじゃない、味沼さんだ~

こんばんは。

今回はかなり書き散らかした、散文的な文章になってます。読みにくいかもしれません(そして内容が非常に腐ってます)。

あと、ネタバレをおおいに含みます。そのため、『もうドラマを見たことがある』『ドラマを見たことはないけどネタバレOK』という方以外は見ないことをオススメします。それでもうっかり見てしまい心が傷付いても、わたしにはどうすることも出来ませんので、星空でも見上げて、いつまでもそんな優しいままの貴方様でいて下さいませ(訳:ネタバレに関する苦情は一切受け付けませんので予めご了承下さいませ)。


前回の記事↓
https://since202103.hatenadiary.com/entry/2021/10/24/235042


さて、シェフのドラマの感想文第2段を書くにあたり、1つ謝らなければならないことがあります。

前回のブログでは確か、ドラマ『ザ・シェフ』の第1~4話を見て感想文を書いた...と言いましたね。わたしもそう信じて疑いませんでした。しかし、この時のわたしは嘘をついていたことが判明しました。

なんと、わたしが前回のブログを書いた際に見たのは第1~4話ではなく、第1~3話と第7話だったのです。


...エエエΣ(O_O;)!!ヽ(゚д゚ヽ)(ノ゚д゚)ノ!!



いや、おかしいと思ったんですよね。
1話完結型とはいえ、ストーリーの流れみたいなものはあるので。回を追うごとに主要メンバー3人の関係性がより深まっていく感じとかね。

わたしは第3話を見たあと第7話を見て、そのあと第4~6話を見たのですが、第7話で味沢さんが太一に向かって『お前は私の一番弟子だ』って言ったのに第6話で『お前を弟子だと思ったことはない』って言ったので『味沢さんどゆこと??あんなに熱い愛の告白だったのに...あれは嘘だったの?太一の純粋な乙女心を弄んだの??味沢さんひどい男...なんてひどい男オブザイヤーなの...サイコパスにも程があるわよまじ笑えない...』と愕然としました。

で、第6話を見たあと次の話を見ようとしたら見覚えのある話(つまり第7話)が流れ始めたので、そこでようやく私の見る順番が間違っていたことに気付き、もう笑うしかなかったですね...

ごめん味沢さん。ひどい男オブザイヤーとか言ってごめんわたしが間違ってた...記憶を消してもう一度第1話から第7話まで、まっさらな頭で見たい。そしたら第7話の感動もひとしおだったんじゃないかしら...と思って悶々とする日々です。

それでは無事謝罪が済んだので、本題の感想文を書きますね。今回は味沢さんの料理に対する思いと、味沢さんのパーソナリティーを話す上で避けて通れない柏木に対する思いと、大好きな第6話&第7話についての考察を書きました。あくまでも1個人の考察ですので、軽く流す感じで読んでいただけると嬉しいです!


■味沢さんの料理および柏木に対する想いについて■

現時点で8話まで見ましたが(全9話迄なので残すところ最終話のみ)、ここまで見て、味沢さんがどうして料理人になったのか、詳しいことやバックボーンはあまり詳しく語られていませんでしたね。過去の生い立ちもわりとあっさり目で。

味沢さんは天涯孤独で、料理の道に進み、なんかよくワカランけど師匠からも破門されて、一人で流浪の料理人として生きる道を選びました。いつも無表情(しかし顔面はすごくいい)で口数も少なく、自分について語ることはない味沢さん。誤解されても気にしない味沢さん。でも、料理人としてのプライドは間違いなく持っているし料理をめぐるシーンを見ていると『どんな料理人になりたいか』『どんな料理を作りたいか』という自分の希望や理想よりも『依頼人の望む料理を作ること』『料理を食べてもらうこと』にこだわっているように見えました。

見た目はイケイケだけど実は無我で無欲な味沢さん。だからこそ第8話のセリフ(食べること、生きることがどういうことかを説くセリフ)が重く聞こえました。料理にかける味沢さんの熱い想いが画面を飛び越えて視聴者にも伝わって来たような気がしました。シンプルなことって相手に正しく伝えることが難しいですね。発信者に説得力がないといけないから。でも味沢さんには説得力があります。何故なら、5年前からずっと柏木の業を背負って料理人として生きてきた事実があるから。料理に心身を苦しめられた過去を持つけれども、同じくらい自分の料理に使命感と生き甲斐を持っているのでしょうね(決して言葉には出しませんけど仕事への姿勢を見ているとなんとなくそれを感じる)。そして自分の料理に並々ならぬ自信がある(催眠術の回とかそう)。王道の道からは逸れて生きているけど、料理の前では嘘はつかないし、料理に対しては常に妥協しない味沢さん。料理を通して自分の生き方を魅せつつ、あり得ない困難の中でも、これでもかという位のビジュの強さで華さえも添えてしまう味沢さんまじ罪な男デスネ...

味沢さんの料理へのこだわりは、自分がプロの料理人だから、という理由の他にも、柏木への想いもあるのかもしれないな...と思う瞬間が多々あります。

きっと味沢さんは、柏木のことがあって、自分を責めたりもしたけど、同時に目標も見失ってしまったんだと思います。でも自分には料理しかできないし、料理を作り続けることで、柏木がどうして死を選んだのか、という柏木の死の真相にたどり着こうとしたのかもしれませんね。

てか、料理対決で自分が勝ってしまったから相手が死を選んだとか重すぎでしょ...しかも目の前で亡くなるとかさ...PTSD確定案件でしょ(実際に味沢さんは第4話で柏木の幻覚を見てる)。きっと味沢さんには理解できなかったのでしょうね。柏木が死を選んだことが。そして今も理由が分からなくて、でも柏木のことは唯一の親友と言っていいほど慕っていて、忘れられなくて、だから苦しくて。

柏木は味沢さんにとってパンドラの箱だけど、同時に大切な思い出でもあると思うんですよね。柏木はもう居ないから、どうして死を選ぶ気持ちに至ったのかは知るよしもありません。だからこそ柏木の気持ちを知りたくて、料理を続けているのかもしれませんね。健気...


味沢さんは家族同然の大切な友人に対して、自分のせいで死を選択させてしまった負い目から心を閉ざしてしまい(後にママさんが遺書を持っていることが分かり、柏木は味沢に負けたから死を選んだ訳ではなく最初から死ぬつもりだったことが視聴者に分かる)、誰にも頼らず、自分の感情を相手にうまく伝える方法も分からず、孤独な料理人になってしまったのかもしれませんね。

おそらく元々味沢さんはナイーブな性格なんだと思います。柏木のことは慕っていたけど、失ってしまってからは目標を見失ってしまい、あまり場に執着することをしなくなり、気付けば流浪の料理人になってしまっていたのかな?

それとも、もう何も背負いたくないから店や立場には執着せず、流浪の料理人になったのかもしれませんね。

柏木さんを見殺しにしたことを否定しないのは、諦めているようにも見えますね。違うと言ってもその場に居て助けられたのは味沢さんしか居ない訳で。そんな状況で何を言っても説得力ないな...と思ったのかもしれませんね。きっと散々、色んなこと言われたんだろうな...それで噂に耐えられなくなって流浪の料理人になったのかもしれませんね?まあ、流浪なのは味沢さんなりの美学があるのかもしれませんけど。

味沢さんが自身の腕に付いた傷を隠してるのは、柏木が味沢さんに刃物を向けた事実を隠すためなのかもしれませんね。亡くなっているとはいえ、知れてしまったら柏木にとっては不名誉なことになりますもんね...
傷のことを言えば自分の身の潔白を正当化出来るのに、柏木の名誉のためにそれをしない味沢さん健気すぎる...推せる...
もしくは、柏木が自分を傷付けたという事実を受け止められず、誰にも話せないのかもしれませんね。だって柏木は特別な存在ですからね...いずれにせよ健気...味沢健気...


■第6話と第7話について~そして味沢から味沼へ~■

第7話ではいつもの北村グループの手によって、太一は催眠術にかかって味沢さんを殺そうと刃物を持って襲ってしまうのですが、術が解けた太一は自分の言動を泉から知らされ愕然とします。無意識のうちに味沢を襲った自分が恐くなり、家を飛び出し、わざわざ実家のようなところに戻って自分を縛ってくれとか言い出し、その場に居たみんなをドン引きさせます(太一すごいよその発想きみのことなめてたよあんた最高だよどんだけ味沢さんのこと好きなの...?)。

しかし料理対決現場の厨房でも催眠術にかかってしまい、味沢さんを殺そうとする太一に向かって味沢さんがイケ散らかしながら言った殺し文句

「お前はわたしの一番弟子だ!」

を聞いた途端、感動に震えながらゆるゆると自我を取り戻す太一。なんだこの一部始終は。まるで『愛の味沢劇場』ですね。わたしたちは一体何を見せつけられているの...?(いいぞもっと)

殺しに行ったら逆に味沢さんに(イチコロ的な意味で)殺されてしまった太一くん。味沢さんのあの120%美貌しかない顔面であんな熱いセリフを胸ぐら掴まれながら言われたら催眠術にかかってる場合じゃないよねまじで。早急に意識を戻して味沢さんのセリフを反芻しないとね。もったいないよね。だってあんな口べたな味沢さんがねぇ...ストレートに愛を伝えてるんですよ?

第6話で味沢さんから「(お前を)弟子だと思ったことはない」って言われた太一は情緒不安定になり「俺、先生の何なんですか!?」てメンヘラ彼女みたいなセリフ言ってたのにね。まさかこんなこと言われるなんてね。これは味沢さんから太一への、愛の告白ですよ。おめでとうございます。さあ、味沢さんと太一くんのお二人で思う存分あの鐘を鳴らして来て下さいませ!!

味沢さんも、普段そんな風に太一のこと想ってたのね隅に置けないわねフフフ...


で、その第6話についても軽く触れておこうかなと思うのですが...(話が前後してスミマセン)。

第6話では味沢さんに弟子だと思われてないことを知りショックのあまり家出をしてしまう太一。泉は心配するものの、やる気があるなら帰ってくるはずと言い放ち、余裕の態度のスパルタ味沢さん(この辺、口べたゆえ冷たいことしか言えないのに言葉の端々になんだかんだ太一くんのことを想っていることがにじみ出てまあまあエモい)。そして『料理とは教わるものではなく自ら学ぶものだ』とのたまう味沢さん。きっと味沢さんも、お師匠からそうやって学んだのでしょうね...柏木と共にね...ううっ...(腐った涙が頬を伝う)。

その後、なんだかんだあって料理人の自覚が芽生えた太一は、人手不足で困っていた味沢さんの料理対決の現場に駆け付けます。『俺には料理しかない』と言って私服のまま厨房に現れます。

『弟子だと思われなくても、料理ってなんなのか知りたいんです!』と純粋なワンコの瞳で訴え掛ける太一。

すると、いつものトランクを開け、無表情で太一に向かって白いコックコートをぶん投げる味沢さん。そのコックコートの胸元にはアルファベット大文字で太一の名前(TAICHI)の刺繍が...

えっ。これ、あの不器用&無愛想男でお馴染みの味沢さんが用意したんですよね?太一が家出したあと、どこかで刺繍入りのコックコートをわざわざオーダーしていつも持ち歩いてるトランクに入れて、いつ戻ってきてもいいように...ていうか戻ってくることを確信してこんなことしてるんですよね...?胸元に刺繍でTAICHIと入れてくださいって味沢さんがオーダーしたんですよね?あの唇がそう言ったんですよね?その事実がエモすぎてわたしは気絶しながら砂糖を吐くしかない...わたしたちは一体何を見せつけられているの...?(本日2回目)

視聴者と共に刺繍を見つめながら呆然とする太一。そして、味沢からのサプライズプレゼントを手に取り喜びをあらわにし、笑顔でブンブンしっぽを振り回し忠犬と化す太一(もう太一じゃなくて犬一に改名したらいいのでは?)。

そんな犬一...もとい太一の犬っぷりを静かに受け止めつつも、料理の手は止めずにちょっと目配せして『ぼやぼやするな』とクールに、ぶっきらぼうに呟く味沢。ここでOh!!のドギャンというイントロが鳴り響く(キマッタ...)。

なんなのこれ。ノロケかよ。一生やってろ(まじでありがとうございますスタッフとスポンサーの皆様に圧倒的土下座感謝...)。

なんだかんだ言って太一くんのことちゃんと気にかけてて不器用ね...みたいなセリフを味沢に向かって独り言のように呟く泉。ああ泉はいつも視聴者(主に腐女子)の心の声を代弁してくれる。アザマス!!

泉の言う何気ないフォローの一言が、味沢さんを『やなヤツ』から『実はいいヤツ』という印象に変えてくれることが多いんですよね。ほんとありがとう泉。泉は味沢にとって仕事のサポート役であり、仲間であり、時には母の顔をしたり、恋人のような振る舞いをしたり、友人の立ち位置にもなる...万能なオールラウンダーですね!ありがとう泉。

...さて。とっ散らかった文章で申し訳ございませんでしたm(_ _)m

次回は最終回を見てから書こうと思ってます。見れるのかな。ドキドキハラハラ。

味沢もとい味沼はとても深いですね。

【配信レポ】2021年11月23日 Waive2Øth Anniversary Again #2 TOUR「NEED…?」FINAL 渋谷TSUTAYA O-EAST

2021年11月23日
Waive 2Øth Anniversary Again #2
TOUR「NEED…?」FINAL
渋谷TSUTAYA O-EAST
開場 16:15 / 開演 17:00
スタンディング ¥6,800
※税込・ドリンク代別
※3歳以上はチケット必要

「LiveHeaven!」にて17:00 生配信スタート!
¥5,500 (税込+別途配信手数料)


Waiveの基礎知識など■
《メンバー》
Vocal 田澤孝介(Tazawa Takayuki)
Guitar 杉本善徳(Sugimoto Yoshinori)
Guitar 貮方孝司(Ninokata Takashi)
Bass 高井淳(Takai Jun)
※ドラムはサポート

Waiveとの出会い》
Waiveは2000年1月に結成され、2005年12月に解散。いわゆるV系シーンにて『ソフビ(ソフトビジュアル)』にカテゴライズされるバンド。わたしはMoi dix Mois目当てで行った2003年7月27日大阪城野外音楽堂stylish waveというイベント(他にもラクリマとかプラも出てて豪華なイベントでしたね...)にて初めてWaiveを見たのですが、そのライブパフォーマンスに圧倒されてしまい、Waiveの出番が終わったあとは一緒に見ていた後輩とWaiveのライブ日程を検索しました。そこから私のWaiveを追う日々が始まったのでした。

Waiveの魅力は何と言ってもライブです。ライブを見てなかったらハマっていなかったと断言できます(もちろん曲もいいし歌もめさめさうまいけど、音源だけだったらここまでハマってなかったかも)。

しかしWaiveは2005年6月24日に解散を発表。ラストシングル、ラストアルバムの発売、全国ツアーを行い、2005年12月1日のラストライブを以てバンドは解散します。

つまり、現役時代にWaiveのライブに行ってた時期って約2年4ヵ月間なのです。思っていたより短いな...

解散の理由が理由だけに(一言でいうと中心メンバーの決裂)もう再結成は無理だと諦めていたし、何よりわたしが辛すぎてWaiveを聴けなくなってしまいました。だけど2010年に再演がアナウンスされ、その後も解散中のスタイルは保ったまま何度か間隔を開けて再演ライブをやり、まさかの新曲もリリースし、全国ツアーも回る...というなかなか他に類を見ない独自の活動を展開しているバンドです。

そして今年、とある雑誌のインタビューでバンドのリーダーでもある善徳さんが「Waiveの再結成はしない」と明言。その理由は再結成⇒解散、という悲劇を繰り返したくないから、とのこと。この発言はめちゃくちゃ嬉しかったですね...再結成しないのが嬉しい!と心から喜べるのもWaiveだけですね。ほんと、あらゆることが例外づくしで不思議なバンドですよ...

■今回のレポ内容について■
2021年11月23日に渋谷で行われたツアーファイナルの模様がライブ配信されました(アーカイブは26日が終わるまで視聴可)。11月23日はボーカル田澤くんの誕生日、11月26日はリーダー善徳さんの誕生日なのです。ちなみにWaiveのライブに生配信が入るのは今回が2回目。前回の生配信はブルーレイ化しましたが、今回はその予定がないとのこと。わたしは配信での参戦でしたが、ここ最近見たWaiveのライブの中でも上位に入るくらいめちゃくちゃいいライブだったので、このライブを忘れたくないという想いからレポにして残すことにしました。

また、26日には善徳さんがツイキャスで今回のライブで演奏した曲の思い出やエピソードを語って下さったのですが、初耳&面白い話ばかりだったので、そちらの内容もメモ書きですが載せることにしました(リンクで飛べるはず?)。なので配信ライブのレポ&感想&ツイキャスで得た豆知識メモ(たまに私の心の声も書いてますがほぼ善徳さんが喋っていたことをそのまま載せてます)を、演奏曲順につらつらと書いてます。読み辛いところもあると思いますが、ご了承下さいませ。

《セトリ》
-SE-
TRUE××××
バニラ
-MC-
キミノヒトミニコイシテル
PEACE?
わがままロミオ
will
-MC-
そっと...
Be kind
-MC-
Just  like  me
ASIAN 「noir 」GENERATION
unforgettable memorise.
-MC-
ペーパードレスレディー
FAKE
あの花が咲く頃に
ネガポジ
-MC(短い)-
assorted lovephobia
Sad.
ガーリッシュマインド
いつか

アンコール:
-MC(めちゃくちゃ長い)-
Days.


■レポ&感想&ツイキャスメモ■

いつものSEが流れ、下手側から高井淳⇒ニノカタ⇒善徳さん⇒田澤くんの順に登場。

ドラムカウントで1曲目『TRUE××××』。
いきなり田澤くん飛ばし気味。『その翼に込めてぇ~~~』の『ぇ』をすんごい伸ばす。めちゃくちゃ伸ばす。間奏の半分くらいまで伸ばしてた。どうなってんの?その小さい体のどこからその声量が!?といつも思う。ほんと圧倒される。きもちいい。ライブへの期待値が上がる上がる。

この曲ではあんまりみんな動いていない。持ち場で弾いてるって感じ。このとき、サポートドラムのヤスオもちゃんとカメラに映ってることを確認。ヤスオのカメラは下手側から固定されてる。フォームがめちゃくちゃ綺麗だよねヤスオ。この曲ってにのっちがソロなんだよね。意外だけど(前もそんなこと思ったけどすぐ忘れる)。

*1


2曲目『バニラ』。え、もうバニラ?ここでバニラ??後半戦にもってくると思ってたので驚く。

Aメロのまだ静かなところでうさぎのようにステージを跳び跳ねて駆け回る田澤くんに高井淳も思わず笑ってる。最初のサビで4人が前に出てくるとこで『ヒャッ!!!!』と私から変な音が鳴る(心の喉笛)。ファンは不動で手扇子してる(たぶん椅子があるので位置は固定されてるっぽい)。もみくちゃになれないから平和なノリ。善徳さんがギターソロ弾いてる間、何故か善徳さんの後ろで膝立ちで目を閉じて合掌してる田澤くん。その田澤くんの後ろに立つ笑顔の高井さん(仲良しだなきみたちは相変わらず)。このとき田澤くんの衣装の袖に違和感...

*2

~MC~

バニラ終わりに最初のMC。しょっぱなから衣装の袖が破れて...と言いながら袖がふにゃふにゃになってるジャケットを善徳さんに向かってアピールする田澤くん。可愛いよ、と素っ気なくしかし軽快に返事をする善徳さん。しかも2回言う。

アッアーーー!!!!!

可愛いよきみたち可愛いよ。可愛いおっさんオブザイヤーあげたいよ。という心境になる。
『ツアーファイナルっぽいでしょ?このライブが終わる頃にはどんどん破けるくらいのエネルギッシュなライブにしたい』と真顔でのたまう田澤くん。

次は『キミノヒトミニコイシテル』。あまりライブでやらない曲なので、序盤に持ってきたことに驚く。途中大人しくなるところで善徳さんがアドリブでコミカルなフレーズを入れて、思わず歌いながら笑いそうになる田澤くん。あれはずるいな。あと、サビでシンセの音が大きく感じた。この曲シンセ入ってたんだ!?と初めて気付く(←今更)。

*3


その次は『PEACE?』。縦にぴょんぴょんしたりサビで手ワイパーするので、ソーシャルディスタンスでも盛り上がれる曲だと思った。イントロ終わりで善徳さんがまたしてもアドリブで突然カッコいいフレーズを入れる。え、今までそんな音入ってました?また次回もお願いしますね...。

最初のサビでまさかの田澤くんの歌詞が飛ぶ。でも善徳さんのコーラスパートが分かっておいしかった。そんな旋律なんですね。へえ。2番のAメロで『ごめんなさいね 歌詞が出てこない』とまさかの替え歌(ごめんなさいね、は元々の歌詞)。ナチュラルな替え歌だから許す(Waiveのライブバンドとしてのセンスのよさを感じる)。
間奏のベースソロで高井さん前に出てくる。この曲はラストのハモりが好きなんですけど、今日のハモりも素晴らしかった。田澤くんの声と善徳さんの声っていいんだよねー。声の種類は全然違うけど。ハモると1+1が100にも200にもなる感じ。

*4

そして次は『わがままロミオ』。Waiveの曲って、すごくキャッチーでポップなんだけど『どこか変』なんですよね。この曲なんてまさにそれだなと。Waiveらしさがめちゃくちゃ出てる曲ですよね。妙に壮大だけどコミカルさと可愛さも兼ね備えてて、ドラマチックな曲。サビだけ聴くとバラードかな?て思うけどめっちゃグルーヴィーだし踊りたくなる曲でもある。『なんだこれ?』て曲ですよね。しかもこれがシングル曲っていう...PVはストーリー仕立てでオチがあってよき。

*5

間髪入れずに『will』。わたしが個人的に『ジュ◯ィマリっぽい曲』とひそかに心の中で呼んでいる曲。チャキチャキしてて陽キャラな曲。この曲って10~20代が歌う内容なのに、40代になって歌ってもそんなに違和感ないんだよね...きみたち若者だねえ。

*6

~MC~

田澤くん『ライブだからそりゃあるよ。歌詞が出てこないとか』みたいなことを言う。そして田澤くんがさりげなく善徳さんのことを『杉本さん』と呼ぶので不意打ちの胸キュンで死にかける(あれはあかん)。ここで善徳さんも『実は田澤くんの音があんまり返って来なくて...』と告白(これは中音のことですね)。だから田澤くんが歌ってるのか歌ってないのかよく分からなくて、歌詞が飛んでることに即座に気付けなくて、でも様子が変だなと思ったらしい。なるほどね。ライブだからそんなこともあるよ、でも生配信だよね、みたいなことを二人でツッコミ合う(尊い)。

*7

田『色んなご意見あると思いますけど、縮こまった姿見せたくないやん(ファン拍手)。映像入ってるし、守りに入ってるおっさんの姿見したくないやん(ファン拍手)。攻めますよ。43歳田澤孝介攻めますよ(ファン拍手)。』

田澤くんが喋ってる間は田澤くんの顔ばかり映るのですが、元々昔から肌ツルツル&しわになりにくい骨格?してるけどさ...ほんと肌きれいなままだよねまじですげえ!童顔ってすげえ!!!(全身全霊で褒めてますよ)て心の中で吠える。

田『解散中のバンドなのにコロナ禍で勢力的に活動してる。Waiveで上京したのでWaiveは音楽人生の始まりでもある。再演も含めて、音楽人生の中でWaiveはターニングポイントになってる。コロナ禍でもグイグイ行こうという姿勢に気付かされた。いつも教わるのはこのバンド。』

そんな風にシリアスなMCをしている田澤くんの隣、善徳さんがカメラに映る。そして一言。

善『腹減った』
田『今言うことじゃない選手権一位!』

近所の焼き鳥屋がモーニングをやってたけどラーメン定食が出てきた...という話をする善徳さん。何故お腹がすいてるのか、の自己分析およびその理由と、次のMCでは何か食べないとステージが持たなさそう、とのこと。相変わらずテンポがよくて漫才のようにキレキレの善徳さんのMC最高ですね。

そしてそのままバラードセクションへ...

『そっと...』のイントロが始まる。善徳さんの手元がカメラに映るのですが、ギタリストの手って美しいよね...指の形がね...骨っぽいのがいいよね...造形美...ということばかり考えるのでよくないですね。

曲の最後のほう、田澤くんがほぼマイク通さずに歌ってるのがめっちゃ響いて圧倒される。この曲は染みるし浸るわ...

*8

そして『Be Kind』。えっ!?ライブでやるの珍しい!!と驚く。Bメロが素晴らしいのよねこの曲はね。マイナー調なんですけど、歌詞はすごく優しいんですよね。善徳さんって毒舌だしキツい言葉遣いだし無愛想だしちょっと恐いけど(ディスってませんし一応私は善徳ファンです...)こんな優しい歌詞が出てくるなんてギャップ萌えも甚だしいと言いますか、案外本質は可愛い人なんだろうなあ...と、この曲を通して思ったとか思ってないとか(ご本人には絶対そんなこと言えん)。

*9

~MC~

善徳さんは隣で食事中のためカメラには映らず(ステージからはけてたかも?)。田澤くんは客席のファンに向かって何度か下手側を『見ないで』と笑顔で注意する。

田『何回か前の再演からやっとWaiveでステージに立つことが楽しいと言えるようになった。思ってはいたけどそれが言えるようになった。』
田『色々あったけどそれも踏まえて楽しいと思えるようになった、結構凄い経験させてもらってるなと思った。』
田『(ニノカタさんは)今は違う仕事をしてるけど(音楽業界からは引退してる)、僕らが『やろうよ』と言えば来てくれるし何だかんだで弾けちゃうし凄いよね』

と、MCの流れで突然ニノカタさんを褒めたたえる田澤くん。そして軽くニノカタさんのメンバー紹介をすれば、前に出てきて両手を横に広げて目を閉じて顔を上げて光合成のようなポーズを取るニノカタさん。神々しいニノカタさん。あ、ニノカタさんってそういえばMIRAGEの人だったなあ...ということをふと思い出す。MIRAGEみが出てたよ。ありがとう。

そして何の説明もなくしれっと食事を終え突然ステージに現れて田澤くんに袋に入った惣菜パンを無言で押し付ける善徳さん。

田『今じゃないコレじゃない選手権一位か』
善『誕生日おめでとう、と思って』
田『はみ出るメンチカツバーガーを今渡す?』
善『この中で一番ケーキに近かったから』

うわあ胸キュン。これは胸キュンなシチュ。
突然訳わからんことしてこんなこと言われたらキュン死にするやつ!!恋に落ちるやつ!!こういうワケわからん言動の人に弱いんですよねわたくし...

田『オフマイクで、めっちゃええ声で“誕生日おめでとう”って言うからキューン!!スキー!!ってなった!』
田『今は(惣菜パンは)いらんけどスキーー!!ってなった』

と、のけぞって興奮する田澤くんカワイイ。今この瞬間この世で一番可愛い間違いない。そうだね、きみたち色々あったもんね...こんな冗談もめちゃくちゃ胸に染みるんですよね...

すると思い出したかのように、善徳さんから運営側への苦情が。

善『公式のTwitterがさあ、(今回のライブのことを)突然Wバースデーとか言うからさあ』
善『こないだまで(そんなこと一言も)言うてへんかったやんけ!て思って。あれ何?まじでええ迷惑やな思って』
(座り込んで笑う田澤くん)
善『既に完売してるイベントで何言うてんねん、て思って。配信チケットそんなに売りたいんかな、て雰囲気出してきよって』
(まだ笑ってる田澤くん)
田『あれ(公式Twitter)勝手にやられたん?』
善『勝手にやられてん』
善『我々なんてさぁ、日本のロック史に残るレベルの解散の仕方をしたバンドの一つなのにさぁ。それが“イエイ!Wバースデー!”みたいなさぁ』
(田澤くんずっとヒャッヒャ笑ってる)
田『WaiveのWはこのWでもある!みたいな?』
善『何やねん!そういうバンドちゃうねん!』
(田澤くんずっと笑ってるけど笑いすぎて笑い声が出なくなってる)
田『直近になって言うのおもろいわ~』

ここで1月に予定している渋公ライブは高井淳(1月生まれ)とにのっち(3月生まれ)のWバースデーをやるか!?と言う話に。

まさかWaiveからこんな話題が出るなんて...2005年の解散ライブに失望して悲しみに暮れながら会場を出た当時22歳の自分に教えてあげたい。いつか4人また集まって、あの最悪の解散のことも笑い話に出来る日がくるんだよ...ってことを(いやほんとまじで)。

そして話題はコロナ禍から元の生活スタイルに戻れるのか、という話に。

善『過去のライブ映像見たら引く』
田『引く引く引く』

スタンディングでもみくちゃになってて、今じゃ考えられないよね、今の様式に慣れてしまって逆にあんな風にぎゅうぎゅうになるの無理、て人も出てくるんじゃないの?という話に。

善『世の中のチケットの売れ行きが70%くらいダウンしてんねんて』
善『すごくない?70%ダウンやで?そんな仕事普通辞めるよね?』
田『数字の話だけするんだったら辞めるよね』
善『(今日の会場は)本来なら1200人入る会場やねんけど、(70%ダウンてことは)それが300人くらいになるってこと。渋谷REXくらいの会場。みんなの分かる規模にすると、そういう話』
善『逆に言うと、なんでWaiveこんなに人集まってんやろな。すごいね。訳わからんね。なんじゃこりゃ。』
田『(客席を見ながら)褒めてるんですよ』

ナイスフォロー田澤くん。
今回のライブは行政のガイドラインに沿った内容で開催されていると思われるのですが、ソールドアウトって何人いれてるんだろう?椅子入れてるからたぶん半分くらいかな?...という素朴な疑問が。

善『すべて謎じゃない?さっきも言ったけど“解散しているバンドがこのコロナ禍で最も勢力的に活動している”って』

現場によってはヘドバンNGのライブとかもあるらしい。イベントの規模によって色々制約が違うんだとか。

ライブを続けるために頑張ってるのはステージに立つ側じゃなくてお客さんだ(お客さんが守ってくれてる)、みたいなことを田澤くんが言う。素敵なお言葉だね...

そして田澤くんの『ナイスなベースで始めちゃって下さい』という合図でMC終了、次の曲へ。

ここから私の好きな3曲(本日のハイライト)が始まるのですが...

まずはツインボーカル曲の『Just like me』。これもあまりライブでやらない曲ですが、Waiveのダークサイド的な曲で、わたくしは割りと好きなんですよ。

*10

そして『Just like me 』からの『ASIAN「noir」GENERATION.』。どっちもベースから始まる曲ですが、この流れめっちゃいい。真っ赤な照明で始まる。個人的には『Just~』も赤のイメージだけど、キャラ被りを防ぐために『Just ~』の照明は別の色になったのかしらね...と、ここに来て気付く。

『ASIAN~』は田澤くんの歌がアドリブ満載。最後のAメロは田澤&善徳ツインボーカルがユニゾンになるんですけど、今回は田澤くんが突然ハモりを入れてきた!たぶんアドリブっぽい!始めて見た&聴いたけどめちゃくちゃいいなこのパターン!ゾクゾクする!『ASIAN~』も比較的ダークサイド寄りなWaiveが楽しめる曲でして、個人的に殺傷能力が高のですよ大好きです...

*11

確かコメットさんって亡くなってますよね...ということをふと思い出す。

そして『ASIAN~』のアウトロのベースがパタッと止まって間髪入るギターの1フレーズだけで分かる『unforgettable~』の存在感よ...(ため息)。

照明は白。赤い中に横から射すようなスポットの白が綺麗だしなんともいえん切ない。うわあ。イントロだけで涙が出てくる。

この曲は救いようがない歌で、すごく残酷な曲なんだけどWaiveでわたくしが一番好きな曲でもあります。ラストシングルのカップリング曲なので、リリースしたタイミングの心情にも重なって、こんなに悲しい解散なのに更に地獄の谷底に突き落としてくるような絶望感満載な曲。これから解散するタイミングで、辞めたいって言ってるメンバーにこれ歌わせるの!?ていう曲(それを言うならSad. の歌詞も全く同じ意味で更にえぐいな)。曲の構成はAメロとサビと間奏ギターソロだけ。シンプルだからこそまっすぐに突き刺してくるっていうか。でも悲しくも美しい曲なんですよね...(しみじみ)。

*12

~MC~

そしてMCへ。ここのMCは話があっちこっちに飛ぶ(Waiveらしくてよい)。

田『腹筋割りたい?じゃあスクワットしましょう(~中略~)みんな腹筋割りたかったら腹筋するやろ?(~中略~)先、下半身です(先に下半身を鍛えないと腹筋つかないよ、という意味と思われる。そういえば田澤くんも昔からバク転したりとか、割りと体鍛えてるよね...)』
善『終わったら楽屋でそーゆーの撮ってTwitterとかに上げればいいねん。コレとは別でな。だってこれ配信で見てるひと筋トレ始めてもうてたら、ライブ見られへんねん』
田『それはそれでバカなの?てなるでしょ?』
善『田澤が!田澤が!なに曲いっとんねん!(こっちは筋トレしてるのに!)てなるでしょ』

そしてMC終わって『ペーパードレスレディ』。
イントロのギターはアドリブぎみ。
2番のサビで善徳さんギター弾きながら上手側をウロウロ徘徊。ウー!ハー!のところは割りと客席みんなやってる感じ。早い曲じゃないけどコロナ禍でも盛り上がれる系の曲ですね、ということを再認識。終わってピックをぶん投げる善徳さん。みんな楽しそう。

*13

そして次は『FAKE』。イントロの頭部分、善徳さんが前の方に出て手で煽るヤツをする。わー!よきよき!続けて高井淳もニノカタさんも前に出てくる。照明は暗めの赤。ヘドバンするひとはしてる。サビの手ワイパーで盛り上がる。ギターソロはスーパーニノカタタイム。ラストのジャンプも楽しそう。田澤くん声伸ばしはせず。

*14

そして『あの花が咲く頃に』。これは縦ノリでぴょんぴょん跳ねる曲なので平和。この曲もにのっちがソロなんですね。最後の『会いたい』の『い』をめっちゃ声伸ばしてそのままアウトロへ。アウトロまでずっと声伸ばしてたんですけどこの人(田澤くん)の声どこまで伸びんねん。すごすぎひん?ヤバくね?と会場のみんなドン引き(いい意味でね)してたはず。善徳さんも珍しく笑いそうになってた。

*15

『あの花』が終わってギターがジャーンって鳴って田澤くんがモニターに座るも、まだMCタイムではないらしく『あるよもう1曲』と田澤くんが言って『ネガポジ』へ(あとで分かったことだけど、どうやらドラムのヤスオ氏が曲の繋ぎ?をミスったらしい)。

『ネガポジ』はまあ『ネガポジ』でした!

*16

そして嵐のように『ネガポジ』が終わり、短い繋ぎのようなMCを挟む。

田『間違えるよね生きてたら』
田『正解ばかりがすべてじゃないさ』

ヤスオ氏のミスを田澤くんがフォローしている模様。そしてそのまま煽り曲のセクションへ...


『assorted lovephobia』が始まり、Aメロで田澤くん仰向けに寝転がったりしてたけど、この時にどうやら自由に動きすぎてイヤモニが壊れたっぽい。アグレッシブな曲です。

*17

そして個人的に大好きな『Sad.』へ。
『Sad.』ってめちゃくちゃカッコいいんですけど、リフの歪みとか最高ですけど、コレって解散がなかったら出来なかった曲だよね...と思うとめちゃくちゃ切ない。当時のインタビューでは解散は関係ない、こんな曲もやれるよっていうのを言いたかっただけ...みたいなことを言うてた気がするのですが、どう聞いても歌詞の内容が解散にリンクするんですよね...こんな名曲が生まれたのならあの解散にも意味があったのかもしれんなと思いつつ『いやそんなことは...!』と葛藤する自分もいるとかいないとか。照明が真っ赤⇒サビでパーンと青白くなるところが好き。田澤くんの伸びやかなボーカルが気持ちよくて、伸びれば伸びるほど絶望感と悲しい気持ちが広がる。そんな曲。すき。

*18

Waiveのアルバムの中では(って言っても約6年間の活動の中でリリースしてるフルアルバムは3枚なのですが)、わたくしはラストの『HURT.』がぶっちぎりで一番好きなんですよ。解散はトラウマですが、解散キッカケで生み落とされた作品は一番愛おしいです。


そしてWaiveド定番の煽り曲『ガーリッシュマインド』。イントロ前の煽りで善徳さんから殺気オーラが出ててニヤニヤした。あー。この表情を見たかったんですよ!!!やっぱり善徳さんは殺気立ってないとね。ありがとうございます!!!

田澤くんの歌い方がかなりアドリブ入ってる。楽しいんだなーというのが分かる。声だけじゃなくて魂が伸び伸びしている感じ、する。こんな田澤くんをWaiveで再び見れる日が来るなんてね...(しみじみ)。綺麗に歌おうとせず感情のままに歌を操る田澤くんは終始輝いてて素敵でした。あー。ええな。ライブってこうだよね...バンドってこうだよね...音と音のぶつかり合いだよね...戦場だよね...だから参戦っていうんだよね...という感覚を再認識する曲でした。

煽りパートではニノカタさんの膝が悲鳴を上げそうになる(お疲れ様でした...)。最後の煽りのターンでは善徳さんがギター弾かずに煽っててたまらんかった。ありがとうありがとう...

*19

そして『いつか』のイントロが聞こえてくる。『ガーリッシュマインド』後の『いつか』って清涼飲料水だと思っているんですよね(わたしが)。暴れすぎてしんだ後にこれ飲んで回復するやつです。

ぬけがらになりつつも会場を見回しながら歌う田澤くんが何とも言えない爽やかさ。上手側では高井&ニノカタが向かい合って仲睦まじく弾いている(こーゆーシーンが他の曲でもちょいちょいあった)。田澤くんの声が聴こえなくなったら善徳さんがコーラスパートでもないのにコーラス入れてくるの、すごくよかったし(あれは完全にアドリブだな)善徳さんも高井さんも『泣いてんの?』ていう顔をしてた。最後のとこ、善徳さん燃え尽きて声出てないし、でもそれがめちゃくちゃよかった。美しかったの。客席声出せないしモッシュも無理だけどめちゃくちゃ熱いライブできるやん!て思った瞬間だった。

『いつか』が終わって本編終了。会場が暗転してアンコールの拍手が始まるのですが(声はまだ出せないので手拍子オンリーイベント)、この時点で配信の残り時間が1時間8分もあることに気付く。え...どゆこと。まさかこのあと1時間MCが待ってるのかな...?(予感はおおむね当たった)

アンコール始まって10分くらいして会場が明るくなり、ツアーTに着替えたメンバーがわらわらと出てくる。

(スタッフから)物販の宣伝をしろって言われたから...と善徳さんがタオル、Tシャツ、卓上カレンダー、パンフレットの説明を、実物を客席およびカメラに見せながらする。特にパンフレットとカレンダーに関しては『なかなかないやろ、こんな、おっさんがカッコつけてるだけの写真』『俺ら、年齢の割りに若く見えるから』等のたまう。そうですよね。善徳さんなんて公称800歳ですからね!見た目すごく若いよ!

そしてダブルバースデーのケーキが運ばれてくる(あとでケーキの様子は公式Twitterに上がっていた)。しかしケーキがステージ上で食べられることはなく、しれっといつの間にか下げられてしまう。

*20

ちなみにケーキが下げられる前だったと思うのですが、何と高井サンからお2人に誕生日プレゼントが渡されました!善徳さんは中身を見るなり『テ◯ガ?』と真顔でボケるし、田澤くんは『デ◯マ?』と聞いてくる。あなたたち...相変わらずデスネ...(昔からう◯この話でめちゃくちゃ盛り上がる系男子達)。実際にはマッサージ系の道具でした。しかも田澤くんはボーカリストの職業病でもある坐骨神経痛もちらしく(初めて聞いたよこのエピソード)、それに効く道具と知ってとても喜んでました。善徳さんも『俺のこと分かってるね~』と高井サンに向かって言ってたのですが、それを聞いていると自然と目頭が熱くなりました。というのも、普段の言動から善徳さんが高井サンのことをどう思っているのかが一番分かりにくいので、気になるんですよね...(メンバー不仲による解散にトラウマがありすぎるオタク)。

そしてアンコールは『Days.』1曲のみで終了。この曲は数年前の再演後に会場限定でリリースされた新曲ですね。解散してるのに新曲出すバンド(昔の未発表曲ではなくて書き下ろしの新曲)ってなかなか居ない気がする...とても素敵な、ポップなWaive王道曲です。これも配信に入れて欲しいなー。CD持ってるけどサブスクでも聴きたいんですよね(贅沢な悩み)。


《まとめ》
とりあえず26日までのアーカイブ視聴は『Just like me 』『ASIAN ~』『unforgettable ~』のターンをエンドレスリピートしてました。

Waiveを追いかけてた期間は短い...と先程書きましたが、オフィシャルサイトのバイオグラフィー(https://www.waivewaive.com/biography)と、過去に書いたブログ(まだ残ってた!ライブレポを残すことの大切さを改めて思い知る)から調べたところ、どうやらわたしは再演後も含めてWaiveのライブは少なくとも20本行ったことがあるらしいのです。関西でライブがあればなるべく行ってましたからね(チケット激戦の1129の日は1度も当選したことがなかったので行ってないのですが...)。

しかし今回のツアーは、そんなWaiveにハマって以来わたしが初めて行けなかったツアーなのでした。せめて配信でも...と思っていたところ配信があることを知り、そしてその配信で見たライブが最高すぎたので、記録用にレポにして残すことにしました(ツイキャスで善徳さんが言うてましたが円盤化はしないそうです)。

またいつか、Waiveのライブに行ける日が来ることを願って。

※追記※
この日のライブ映像がダイジェスト版としてYouTubeの公式チャンネルにUPされました。是非こちらからご覧下さいませ↓
https://youtu.be/XEz-dre123s

*1:11/26の善徳さんツイキャスメモ:善徳さんは『TRUE××××』で1曲目が始まることについて『古っ!!!って思う』と言っててあまりオススメではなさげ。わたしは1曲目これで始まるの、好きなんですけどね!勢いもあって。

*2:ツイキャスメモ:この曲は1stアルバム『INDIES』のリード曲でPVも撮った曲だが事務所は『One』をアルバムのリード曲にしたがってた。事務所はWaiveにはちゃめちゃした感じは求めてなかった。でも(善徳さんは)『バニラ』をリード曲にしたかった。『バニラ』の原曲は20分で作ってて、バンドで作った感があった。Bメロからサビに行くときの転調がメチャクチャ。あれをOKにできたのは若さゆえ。『バニラ』のそこがいいところ。今の『バニラ』はよくないよね。ピークを越えた感あるよね。今はスタンダードな曲になってしまったから。Waiveって決まったことをやるのは似合わない。常に違うことやってるのがWaive

*3:ツイキャスメモ:『キミコイ』をあまりライブでやらない理由が明確にある。曲と自分たちのテンションが合わない。

*4:ツイキャスメモ:『PEACE?』に関してはあまりツイキャスでは触れてなかった気が...

*5:ツイキャスメモ:当時は新曲を録ったら事務所の社長宅でそれを聴く風習があり『わがままロミオ』は社長からダメ出しがあった。違うディレクターが来て歌を録り直した...という記憶がある。二軍ではないけどエースではないよね、という曲。でも2016年くらいのライブからこの曲いいなと思えるようになった。おしゃれな曲やな、と。

*6:ツイキャスメモ:willのイントロのギターはいつも『こうやったかな』と思いながら弾いてる。『わがままロミオ』の終わりではwillのイントロのことばっかり考えてる。

*7:ツイキャスメモ:自分のイヤモニに何の音を返してるのかについても触れてくれた。善徳さんは自分のギターの音、クリック、ドラムのキックとスネア、自分の声、らしい。そして右耳はイヤモニ外してるから外の音が入ってくる。でも聴いてるのはイヤモニだけ。ドラムの音に関しては、昔はキックは聴いてなくてその代わりにハイハットだった、とのこと。ほえ~

*8:ツイキャスメモ:『そっと...』の歌詞はスタジオのロビーのソファーで書いた。曲はもう録り終わってたけど歌詞がまだ出来てなくて。当時のレコーディングはそんなことばっかりだった。歌詞をギリギリに書き終わることが多かった。

*9:ツイキャスメモ:この曲に関してはあまりツイキャスでは触れてなかった気がしますね...

*10:ツイキャスメモ:『INDIES』のアルバム録音曲では一番最後に録ったやつ。めっちゃ変なことをしたい、と思って作った。だから善徳さんのボーカルパートの出だし『僕の名前~』はちょっとコミカルな音程の声で録った。今ではもう出来ない。どうやってるのか分からない。ライブでやる時も、どこまで当時に寄せたらいいのか分からない。2016年や2019年は悩みながらやったけど今回のはよかった。

*11:ツイキャスメモ:『ASIAN~』は田澤くんと歌詞は共作ってことになってるけど田澤くんは最初の“偽りの”しか出てこなくて、それで一緒に歌詞書こうか、ってなった曲。もしかしてこのひと(田澤くんのこと)あかんのちゃうかなって思った。そこから誰かに頼るってのをやめた(この辺の話は解散発表時の雑誌インタビューでも同じこと言ってましたね)。解散ライブはスタッフがめちゃくちゃがんばってくれた。俺らだけじゃ出来なかった。コメットさん(スタッフさん)とマーベリックの加藤さん(スタッフさん)がいなかったらもっとWaiveの解散は悲惨だったと思う。解散ライブが出来たのはスタッフのがんばりと愛情。

*12:ツイキャスメモ:『ASIAN~』と『unforgettable ~』の繋ぎにはこだわった。照明とか。ここが今回のライブの肝だったんじゃないかな、とのたまう善徳さんの言葉に墓に埋もれそうになるわたくし...自分が“今日のライブのここが最高オブ最高だったぜ!!”て直感で思ったところとメンバーのそれが一致するってすごくないですか?ツイキャス聞きながら震えましたね...きっとキモチワルイ顔しながら聞いてましたよね...ありがとうございました...

*13:ツイキャスメモ:『ペーパードレスレディ』はギター1ヶ所も決まってない。すべてアドリブで弾いてる。今回のライブの『ペーパードレスレディ』の入りで(田澤くんが)めっちゃ煽っててびっくりした。そんな曲!?(煽り曲じゃないでしょ)て思った。次『FAKE』やと思ってるんかな?と思った。でも(『ペーパー~』で煽るスタイルは)めちゃくちゃキテると思った。ドキドキしたね。やべーと思った。わろてもた。田澤くんはずっとこの曲が一番ヤバイな、天才やなと言ってる。田澤くんは『ペーパードレスレディ』が好き。他の現場にはない曲だよね。

*14:ツイキャスメモ:『FAKE』はギターソロがにのっちだけど、にのっちがギターソロ弾くとき不安。(ニノカタさんの技術面というよりも)イヤモニにニノカタの音を返してないから、聞こえないから不安ってのもある。

*15:ツイキャスメモ:『あの花』のサビのギター難しい、とのこと。善徳さんでも難しいって思うことあるんやね。割りと何でもそつなくこなしてるイメージあるので、それを聞いてわたしは新鮮な気持ちになったとかなってないとか

*16:ツイキャスメモ:この曲に関してツイキャスでは特にエピソードなし...だったような...

*17:ツイキャスメモ:今回の『アソーテッド』早かったよね。『ネガポジ』のミスに引きずられてたのかも。『FAKE』はクリックがあるのでテンポが決まってる。でも『アソーテッド』から『いつか』までのゾーン(つまりラスト4曲)はクリックなしでやってる。

*18:ツイキャスメモ:『Sad.』は発表した当初ファンの方々から曲がクソだと言われた。歌詞のこともあって。受け入れてもらえる曲になってよかったね(と今では思う)。Aメロで謎のラップみたいなのがあってBメロも歌っぽくなくて手抜き曲みたいな扱いになった。歌わせろよ、とか(ファンから言われたりもした)。でも自分的にはカッコいい曲がかけたと思ってた。『Sad. 』は日暮里のスタジオで録った。田澤くんと(善徳さんの仲が)激烈にダメだった頃だった。『HURT.』(ラストアルバムで『Sad.』が収録されているCD)のレコーディングのことは一生忘れへん。

*19:ツイキャスメモ:1stアルバム『INDIES』を録るとき『いかにキテるか』てことを考えてた。だから『ガーリッシュマインド』は不協和音だらけ。音楽的に(コード進行とか)メチャクチャなことをやってる。『INDIES』のプロデューサー・サトウノブヒコさんは音楽的にやりたい(音楽理論に乗っ取った曲作りをしたい)と思っている人。『ガーリッシュマインド』はサビとか『音程的に何なの?』ていう曲で色々指摘された。実はコード進行はメジャー。

*20:ツイキャスメモ:こんなにケーキの扱いがぞんざいなバンド、他にある?みたいなことをツイキャスで言うてた

【映画】すみっコぐらし劇場版第2段の感想文など(1)

先日、2021年11月5日(金)に公開されたすみっコぐらしの映画第2段『映画すみっコぐらし 青い月夜のまほうのコ』を見に行ってきました。前作の映画ですみっコぐらしのファンになったため、今作の公開をとても楽しみにしていました。

見終わったあとに色々と考えさせられる、とても味わい深い映画でした。確かに前作のほうがショッキングでインパクトが大きかった印象はあります。今作はすみっコたちの日常生活が話のベースになっているため、見終わった直後は地味に纏まっているようにも感じられましたが、あとからじわじわと込み上げてくるものがあり、『今作もいいぞ!!』という思いを込めて、忘れないうちに熱い想いを書き残したくなり、文章にまとめてみました。

(前作とはテイストが全く違うのですが、比べてしまうのは仕方のないことだとも思ってます。某SNSでも書きましたが、例えて言うならすみっコの前作と今作の映画はXのアルバム『BLUE BLOOD』と『Jealously』ぐらい違うぞ!と思ってます。)

色々と書きたいことが沢山あるのですが、文章が長くなったのでテーマごとに分けてUPすることにします。ちなみに、主に印象に残っている『魔法使いのこと』『とんかつの魅力について』『すみっコたちのアイデンティティーのこと』について、ちまちまと書いてはUPしていく予定です。

なお、この文章はすみっコぐらしの設定が分かっていることを前提に書いており、映画第2段のネタバレを大いに含みます。予めご了承下さい。まずは魔法使いたちのことから...↓




■印象的だったこと  その1  ■

~魔法使いたちのこと~


話の中で、魔法使いは魔法で何でも叶うから夢がない、という内容のナレーションが流れます。それを聞いて私は思わず『ディズニーランドやんけ!』と思ってしまいました。

ディズニーランドとは、東京の公式が『夢と魔法の王国』と自らのことを称している、あの巨大テーマパークのことです。そして『世界に想像力がある限り、ディズニーランドは完成しません』という創業者の有名なセリフがあります。ディズニーランドには無限の可能性があるぜ!ということを仰っているのでしょうが、つまりそれは『ディズニーランドが完成するとき、それは世界から想像力が消えるときである』とも言っているのです(という話を大学の講義で聞いて、今でもずっとトラウマのように覚えてます)。

魔法使いたちの住む世界はおそらく、完成されたディズニーランドのような世界なのでしょう。魔法で何でもやりたいことが叶ってしまいます。『これをしたい』という欲望だけがあって、それはあっという間に魔法で叶うので夢も想像力もないけど、魔法使いの兄弟たちはとても楽しそうです。それは、自由自在に魔法が使えるから楽しいのかなと思ってましたが、その答えだと何となくモヤモヤした気持ちが残りました。そして、ある1つの仮説が浮かび上がりました。

魔法使いの兄弟たちは、兄弟みんなが一緒にいるから楽しいのではないだろうか...ということです。

というのも、魔法使いが魔法を使えるのは当たり前なので、彼らが冒頭のシーンでキャッキャしてるのは魔法が使えて楽しいのではなく、兄弟たちと遊んでいる姿をただ映しているだけなのだと思いました。

魔法が使えるのが当たり前と言っても、すえっこのふぁいぶは魔法をうまく使えません。しかしそれは幼いからであって、ゆくゆくは他の兄弟たちのようにうまく使えるようになるのでしょう。というのも、もしこの5人が同学年という設定だったら、ふぁいぶは落ちこぼれで、努力が足りないor不器用な性格or才能がないから等の理由で現在魔法がうまく使えていない...というキャラ設定になりますが、この5人は兄弟で、ふぁいぶはすえっこで、5年に1度の青い大満月の夜も初めてなのです。ふぁいぶは自分の魔法がうまく使えないことにがっかりするシーンはありますが、兄弟に嫉妬したり、自分は魔法使いなんだろうか...と自らのアイデンティティーを疑うようなシーンは無かったように思います。

ふぁいぶは自分のことについて、魔法使いだという確固たるアイデンティティーを持っており、魔法がうまく使えないのは幼いがゆえ、他の兄弟よりも経験が少ないから、ということを設定が物語っており、魔法をガンガン使いまくる兄弟たちと並べることで、いつかふぁいぶもこうなりますよ、という未来を約束しているように思いました。なので、ふぁいぶの『魔法がうまく使えないキャラ』はここではあまり重要ではないので一旦横に置いておきますね。

...で。兄弟たちの、夢がなくてもニコニコ楽しそうな理由が何となく分かったところで、ふと新たな疑問が出てきました。何でもやりたいことが叶ってしまう魔法使いたちが、5年に1度わざわざ外の世界(=魔法のない世界)に出掛けるのは何故なのでしょうか。

それはきっと、魔法が使えない人たちの、魔法を見て驚くリアクションが楽しいとか、そういう理由なのではないでしょうか。『暇を持て余した神々たちの遊び』というやつなのでしょう(超余談ですがモンスターエンジンのあのコントすごく好きでした!)。

もしくは単純に、たまには違う空気を吸ってみたい...というだけかもしれません。魔法を使うことは彼らにとっては息をするのと同じような行動なので、街をキラキラにするのも、特に意図してやっている行動ではないのかもしれませんね。ちょっとみんなで旅行に行こうぜ!くらいのノリなのかもしれません。兄弟5人一緒に居られれば、どこへ行って何をしても楽しいのでしょうね。それが何となく魔法使いたちの冒頭のシーンから伝わってきます。

...ということで、魔法使いの兄弟たちにとっては魔法は特別なことではなく、魔法を使うことよりも、兄弟一緒にいることが楽しいのであって、夢も想像力もない、何でも叶ってしまう世界でも、あんな風にニコニコしていられるのでしょう。価値観としては魔法<<<兄弟、なのでしょう。だからふぁいぶと青たぴを間違えて連れて帰ってしまい、兄弟たちは相当焦ったと思われます。そして、何でも魔法で願いが叶ってしまう夢も想像力もない世界で、魔法ではどうにもならない壁に兄弟たちはぶち当たります。それは、ふぁいぶを迎えに行くことが容易ではない、ということです。

ふぁいぶを置いてきた世界に行くためには、5年に1度の青い大満月の夜じゃないとだめなのです。青い大満月の大量の光がないと、あの船で外の世界を行き来することはできないのです。4人の魔法の力を以ってしても、青い大満月の夜にすることはできなかったのでしょう。そこで、何とか知恵を絞って大量の光を集めて、青い大満月の夜と同じような状況を作ることに成功し、兄弟たちは何とかしてふぁいぶを迎えに行くことができました。ふぁいぶのお迎えのシーンはほんの一瞬の出来事で、割りとあっさり描かれてますが、ここまで来るのに色々あったんだろうなあ...再会できてよかったねえ...と、あのシーンを思い返しては胸が熱くなりました。

他に印象的だったことといえば、ふぁいぶの表情です。今回の映画はゲストキャラとしてのふぁいぶにスポットが当たってますが、ふぁいぶの表情がとても魅力的だったことも印象に残ってます。特に、兄弟に置いて行かれて泣くシーンは悲愴感が生々しく伝わってきて、見てるこちらまで胸が張り裂けそうで、苦しくなりました。すみっコのメインキャラ4名(とかげちゃん除く)が基本的に無表情なので、よけいに表情豊かに見えるというのもありますが、ふぁいぶが泣いてるシーンは、この映画の忘れられないシーンの1つですね(もちろんふぁいぶには笑っててほしいですよ!でも子供向け作品で、しかも架空の生き物の泣き顔シーンで、あんなに生々しい感情表現をぶつけてくるとは思っていなかったので避け切れずに真正面から受け止めてしまい、結構ずしんと来ました)。



...長くなってしまったので、今日はここまで。次回(2)ではとんかつの魅力について、勝手に熱く語りたいと思ってます。

すみっコぐらしのことが好きなバンギャの駄文にお付き合いいただき、ありがとうございました!
では、一旦失礼いたしますm(_ _)m


※この文章を書いた時点ではまだ映画は1回しか見ておりません。初見の記憶を辿りながら書いた文章なので、色々と間違っている箇所もあるかもしれません。予めご了承下さい。

【ドラマ】ザ・シェフの感想文など

はじめまして。

このブログは元々、2021年1月22日に観に行った舞台『チョコレートドーナツ』の感想を書くために開設したものですが、文章をまとめるのに非常に時間を要してしまい、UPするタイミングを逃して途方に暮れていました。そんな矢先、ひょんなキッカケで見ることになった1995年放送のドラマ『ザ・シェフ』にいたく感動し、とりあえずこの熱い想いやときめきがフレッシュなうちに文章を書き残してみようと思い、筆を滑らせているうちにこのブログの存在を思い出し、今回のタイミングで記事をUPすることとなりました。

なお、この文章を読む上で頭に入れておいていただきたいのは、あくまでもこれは“ヴィジュアル系という非日常”を日常的に愛しているオタクが、令和以降に少年隊にハマり、このドラマの主演俳優である東山紀之さんの主演作品を他にもいくつか見た上で書いた文章であり、『このドラマを見てこんな意見を持つ人もいるんだな』と思う程度に留めていただきたい、ということです。わたくしは今回書く記事のドラマのリアタイ世代ではありますが、リアタイはしておらず、少年隊は好きですが私個人は生粋のアイドルファンという訳ではありません。そして、これは少年隊のメンバーの誰かを無条件にただカッコイイと叫んでいる記事ではありません。めちゃくちゃ面白いドラマを見てしまった1人のバンギャの意見として、軽く読み流していただけると嬉しいです。

さて、本題に入ります。

まずはドラマ『ザ・シェフ』の感想文を書き進めるにあたり、ドラマの基礎知識を載せておこうと思います。しかし、私のように『実はこの作品持っててこれから見ようと思ってたのに!』という稀有な人もいるかもしれないので、今回はネタバレしない程度の内容を書き散らかすくらいにしたいと思います。ご了承下さい。

それでは、ドラマの基礎知識を紹介します。

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■『ザ・シェフ』について■
『ザ・シェフ』は1995年10-12月の夜に日本テレビで放送された、同タイトルの漫画を原作に持つテレビドラマです。しかし、ドラマの内容は原作と大きくかけ離れており、かなりオリジナリティー溢れる内容とのことです。Wikipedia先生いわく『設定やストーリーはテレビドラマ独自のものへ変更されている。「料理界のSFドラマ」と名乗り、常識外れな展開となっていた。』とのことです。

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料理界のSF...?
どういうことなの...???

ドラマを見る前に作品の基礎知識を軽く頭に入れておきたい人間なのですが(わたしが)、Wikipedia先生で予習しようと思ったらいきなりつまずきました。『料理界のSF』と聞いてもわたしの想像力が働かなさすぎて、これからドラマを全力で楽しめるのか、いささか不安になってしまいました。

まずここで言うSFとは、つまるところ何を指すのでしょうか。そもそもSFとは何でしょうか。宇宙人が出てくる話のことでしょうか。SF=非日常、ということは分かりますが、いざ説明しろと言われると言葉に詰まってしまいます。それは私がSFを正しく理解していないからですね。

そこで、またしてもWikipedia先生のお力を借りることにしました。

Wikipedia先生によると、『サイエンス・フィクション(英語: Science Fiction、略語:SF、Sci-Fiエスエフ)は、科学的な空想にもとづいたフィクションの総称。メディアによりSF小説、SF漫画、SF映画、SFアニメなどとも分類される。日本では科学小説、空想科学小説とも訳されている。』とのことです。しかし、わたしは頭がよくない上に想像力も乏しいので、なんのことやらさっぱり分かりません。

そこで他の辞書を見てみようと思い、weblio辞典で調べてみたところ『(英 science fiction の略) 科学的知識をもとにした、空想的な筋立ての小説。フランスの大衆作家J=ベルヌ(一八二八‐一九〇五)に始まり、アメリカで普及し、文学上の一分野に発展。科学小説。空想科学小説。』だそうです。こちらの方がイメージが膨らみますね!つまりSFとは『科学的知識をベースに持ちながらも、非科学的な演出をするストーリー』ということになるのでしょうね。たぶん。

『ザ・シェフ』は料理を扱っている作品なので、ここでいう『科学的知識』とは料理のことを指すのだと思われます。『料理は科学だ』というタイトルの本もありますよね。つまり「料理界のSFドラマ」を名乗ることは、料理という科学をモチーフにしつつ非科学的なアプローチを繰り広げるドラマだ、ということを宣言している訳ですね。なるほど...分析することで、段々このドラマの核心が見えてきた気がします。


それでは作品の方向性が分かり、不安な気持ちが和らいだところで早速ドラマを第4話まで視聴したのですが、第4話までの視聴で何となく理解したこの物語の基本的なストーリー展開と、主要な登場人物およびその基本スペックを紹介します。

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■ドラマの基本的なストーリー■
幻のシェフこと味沢匠が第3者から料理作成の依頼を受け、そのミッションを果たすために動こうとするも、味沢に執着する北村グループ(レストランチェーン店を展開している大手企業)の部下たちに毎回必ず邪魔されてしまい、味沢は追い詰められるも、仲間である泉や太一の力を借りながら何とかしてミッションを果たそうと奮闘する料理界のSFドラマ。基本的には1話完結型。


■味沢 匠(あじさわ たくみ)■
このドラマの主人公の青年。
あらゆる第三者からの『料理を作ってほしい』という依頼を受けて仕事をこなす、フリーランスの孤高の料理人。ある意味、必◯仕事人。
巷では“幻のシェフ”と呼ばれている。
仕事を依頼するために味沢を呼び出す方法は独特で、一言で表すなら超非科学的でツッコミ所満載。しかし、その方法を取ることで味沢は確実に依頼者の元に現れる。そして、仕事を受ける際には必ず法外な報酬(一定の金額)を条件としている。

パーソナリティーに謎が多く、ポーカーフェイスで秘密主義のはずなのに、何故か自宅のセキュリティーはゆるゆるで、あらゆる不法侵入を許す。むしろ、鍵かけてますか?と聞きたくなる。その様はまるで、鍛えた抜かれた肉体を誰かに見てもらいたくて脱ぐのが好きで常に胸をはだけてる人みたいですね(別にこれは特定の誰かを指している訳ではありません)。

料理の腕前に関する超人テクニックは第1話の味沢登場シーンのインパクトが強すぎて、以降はテクニック自体に驚くことは少なくなるが、話が進むにつれ、料理そのものではなく、料理を作るまでの過程等がどんどん過酷かつ過激になり、まるでSASUKEとか脱出ゲームを見ているような気分になってくる(たぶん間違ってない)。追い込まれた味沢がどうやってピンチを切り抜けミッションを成功させるのか、ということにスポットが当てられるようになる。こうなると、もはや料理はサブテーマであり、料理という題材は話の軸にしつつも『味沢という非日常をいかに美味しく調理し、それを視聴者に提供しておなかいっぱいになってもらえるか』ということがメインテーマになってくる。

人が食べる料理は作るが、第4話までに味沢自身が食事をしているシーンはない。なぜか命を狙われがち。愛車はオープンカー。愛用の包丁類をトランクケースのようなものに収納し、持ち歩いている。愛想はないが、顔面がいいことに定評がある。


■泉(いずみ)■
位置的には“味沢に一番近い女性”だが、ヒロインというよりはこのドラマにおけるツッコミ役であり、味沢と視聴者の間をつなぐメッセンジャー的な存在でもある。本職は週刊誌の記者だが、ひょんなことから味沢に急接近することとなり、そのままチーム味沢の一員となる。メインキャスト3人の中では唯一の常識人であり、携帯電話を所持しているのも泉だけ(と思われる)。実は育ちがよく、父親の仕事の影響を受けて料理の知識も豊富だが、泉の生い立ちが味沢の経歴と深く関わっていることが後々明らかになる。味沢の暴走に、視聴者が置いてきぼりになりそうになるとナイスアシストしてくれるのがだいたい泉。味沢も太一も物語をかき回す存在だが、泉が居てくれることでなんとか物語が破綻せずに進んで行ける...という場面が多々ある(と私は感じる)。味沢のことは“味沢さん”、太一のことは“太一くん”と呼ぶ。

■太一(たいち)■
味沢と出会った時は敵対する立場だったが、劣悪な環境をものともせずに、目の前で一人華麗に料理を作り上げる味沢に心を奪われてしまい(いろんないみで)、味沢に土下座して弟子入りを懇願するようになり、ついに実力行使で押し掛け女房化してしまった料理人見習いの青年。実は味沢と同じルーツを持っている。それゆえ、味沢に一番近い第三者であり、物語のヒロイン的な存在でもある。そして、いつも味沢にしっぽを振って足元にまとわりついているワンコ的な存在でもあり、基本的には味沢の忠犬。はっきり言ってかわいい。そして物語のムードメーカーでもあり、そのまっすぐで純粋な性格が時に冷徹な味沢の心を大きく揺るがすこともあるとか、ないとか...。

味沢が仕事で料理をしている時は泉と共にアシスタントとして立ち振る舞う。将来は味沢のようなシェフになりたいらしい。味沢のことを“先生”と呼び、泉のことは“泉さん”と呼ぶ。

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さて、基本のストーリーとメインキャスト3人の紹介が終わったところで、このドラマのどの辺がSFなのか、もう少し真面目に考えてみることにします。

味沢が依頼者に呼ばれて登場するシーン(白いオープンカーに乗って現れるやつ)は毎回SF風の音楽が流れます。そこはかとなくSFっぽいです。まるで宇宙人が登場したかのようなワンシーンです(味沢を宇宙人に見立てることはあながち間違ってないけど)。

しかし、このドラマがSFを名乗るのは別の理由があるからではないか、とも思っています。

それは、このドラマの内容が非日常すぎて、ぶっ飛びすぎてるがゆえ、頭から『このドラマはSFですよ』と名乗ることでいちいち『よいこは真似しないでね』とか『このあとスタッフが美味しくいただきました』とか『この行為は犯罪です』という定型文句を物語の進行中に挟む必要がなく、それらの定型文句が入ることによって現実に引き戻されることがないため、ハナから『あなた達がこれから目にする一部始終はSFですよ』と宣言することで、視聴者は安心して最後までドラマの世界観に没入したまま一気に見ることができる、ということです。だからなのかストーリーはどれもスピード感に溢れ、その演出は料理にとって無駄なことだらけのはずなのに、有無を言わさないスピーディーな話の流れに圧倒され、味沢の顔面に圧倒され、展開が早く、見ていて実に爽快です。

元々主演俳優の中の人の存在自体がSFというか、非日常感がはんぱないので、それゆえにこのドラマはSFだと言い切っても的はずれな感じはしません。それゆえSFの解釈はおおむねこれで合っているかな、と思われます。

SFというのは広い意味で『人間の能力を拡張してあり得ない状況を演出すること』だと思います。そしてこのドラマはその『人間の能力』のうち、料理を作る能力に着目したドラマ...のはずなのですが、どうやら回を追うごとに料理を作る能力以外にもあり得ない展開が次々と訪れ、またそれをあり得ない方法で切り抜けて行く味沢たちの言動の一部始終がもはやSFと化してます。このドラマは視聴者の『あり得ない!』という突っ込みを作り手が煽っている訳だし、だからこそ見る側も素直に『あり得ない!』と大声で渾身のツッコミを返してやればよいのです。見ていて安心してコール&レスポンスが楽しめる、とても良心的なエンタメ作品だと思います。

このドラマは、味沢がミッションクリアの前に立ちはだかるあり得ない展開に対して、妥協することなく真正面からぶつかって行き、ベタな逆境も粛々と受け入れ、どんな状況でも文句も言わずに、誰を責めるでもなく、ただ黙々と前に進もうとする姿が眩しくて快感なのです。

味沢は過去が訳アリゆえに自分のことを積極的に話そうとせず、それゆえ性格が偏屈で、一見すると『嫌なやつ』なのですが、料理のことになるとめちゃくちゃ真っ直ぐでポジティブです。味沢は無表情のポーカーフェイスだし、何考えてるか全然分からないけど、何が何でも目的(依頼された仕事の成就)を果たそうと奮闘するし、依頼人が未成年の子供であろうと依頼された仕事は必ず最善を尽くして最高のパフォーマンスを披露します。『もうダメだ』『今回ばかりはミッション成功不可だ』と視聴者が手に汗握る展開が何度も訪れますが、何度も味沢は生命を脅かされますが、(これ料理のドラマですよね?なぜいつも味沢さんは殺されかけているの...?)その度に味沢は多少焦る素振りを見せつつもクールに、華麗に、決して止まることなく、一切の妥協を許さず、かなり強引かつギリギリアウトなやり方でピンチを切り抜け、最後の最後まで自分のパフォーマンス力を最大限に発揮しようとする姿に、見ていて割りと本気で痺れます。そしてビジュアルが終始イケ散らかしている味沢はただただ本当に美しい。必ず勝負時に流れる挿入歌の『Oh!!』もテンションが上がります。DJで言うところの、フロアがブチ上がる曲です。あのイントロはまるで勝どきの声のようにも聞こえます。

たたみかけるような非日常描写の連続の中で、味沢の美しさには一切のフィクションがなくて、キラキラと眩しくて、その対比が面白くて、何とも言えない味わい深いドラマです。ハッキリ言って深夜ドラマ枠のようなノリでありながらも、豪華なキャスト、華やかなセット、ぶっ飛びすぎたストーリー展開に、この時代のドラマにかける製作陣の尋常ではない熱量が伝わってきます。

日常の等身大に飽きた人には是非見てほしい作品なのですが、一切の日常を忘れてストレス発散したいひとにもオススメです。多くの人に見てもらってキャッキャしたいので、ソフトの再販が難しいのなら、是非とも配信化をお願いいたします...m(_ _)m