脳内ヴィジュアル系

好きなもの(主に音楽)への想いや出来事を、後日見返すための記録用として書いてます。

【記録用】DIR EN GREYサブスクチャレンジ【6】(184/298?)

THE MARROW OF A BONE
発売日:2007年2月7日
収録曲(CONCEIVED SORROW / LIE BURIED WITH A VENGEANCE / THE FATAL BELIEVER / AGITATED SCREAMS OF MAGGOTS / GRIEF / 凌辱の雨 / DISABLED COMPLEXES / ROTTING ROOT / 艶かしき安息、躊躇いに微笑み / THE PLEDGE / REPETITION OF HATRED / THE DEEPER VILENESS / CLEVER SLEAZOID )
全13曲

バンド名の表記は現在のもの(大文字)で統一してます。ご了承下さい。

Wikipedia先生によると、本作は世界11カ国でほぼ同時期に発売されたらしいです。

リリース当時は洋楽意識しすぎ&解釈が難解すぎ&早い曲少なめ...という印象でわたしはそんなに好きになれなかった「THE MARROW OF A BONE」ですが、今回改めて聴き直して『...あれ?めっちゃよくね??』てなりました。わたしの音楽の趣味はそんなに変わってないはずなんですけどね。

DIRさんのアルバムを、今年のサブスク解禁を機に1枚目から聴き直してますけど、今回ので「MISSA」から数えて7枚目ですが(「six Ugly」はEP扱いなのですがこれも入れたら8枚目ですね)、ぶっちゃけこの「THE MARROW~」が精神的に一番しっくり来ました。年を取ったらこういう重くて暗いアルバムが好きになるのかしら。

...という訳で、1曲ずつ覚え書きを置いておきます。


1曲目は『美しく激しい』という形容詞がぴったりなバラード。サビの高音がよき。わざと外したようなドラムのフレーズがチラホラ入るとこもすき。ふと気付いたけど、DIRさんのアルバムって早くない、ゆったりした曲調が1曲目に来ることがたまにありますけど(MACABRE、VULGA、Withering~なんかはそう)、DIRさんって激しいイメージが強いから、こういうのが1曲目だと予想外で『お??おおっ!?』てなりますね。1曲目として掴みはすごくいいなと思いました。

2曲目は洋楽っぽいなと思いつつ、単なる洋楽っぽいだけじゃない気も。アルバムを通しで5回くらい聴いてやっと『この曲かっこええやん』て思いました(響くの遅すぎる)。シャウト多め...というかずっとシャウトしてて歌詞は全然聞き取れないですね。英語かな?

3曲目。さっきは全然歌詞が分からなかったけど、聞き取れる言葉(日本語詞)が聞こえてきてほっとしつつ、ゴリゴリの轟音の海に沈められて...でもサビで酸素を求めて浮上する...みたいな忙しい曲です。でも、このアルバムは基本全編に渡ってそのスタンスを取ってる気がします。水攻めの後に火炙りになる...の繰り返しというか。あと、曲単体で聴くよりアルバムの流れで聴くのがいい気がしますね(あくまでも個人の感想です)。だから1曲1曲はちょっと他のアルバムに比べてインパクト薄い気もしますけど、アルバムとして通して聴くとスルっと聴けて纏まってていいね...ということに3曲目で気付きました。このアルバム、キャッチーさがほぼ無いので問題作だよなあ...と思いつつ(だってわたしはDIRさんのメロディアスな部分が好きだったので)。

で、4曲目はリリース当時話題になったシングル曲ですね。3曲目のあとに聴くとちょっと音が軽く聴こえるような...?でも、ずっと重くてもしんどいのでバランスはいいのかもしれませんね。途中のshould Die!のとこが何かほっとしますね(息継ぎパート的な)。

5曲目は名曲「GRIEF」ですね。正直このアルバムはこの曲が入ってたので『買ってよかった!』と当時思いました(今でも覚えてる)。他の曲は難解すぎて取っ付きにくかったけど「GRIEF」はキャッチーだし分かりやすくかっこいい曲で、これはDIRさんの良心なのかなあと思いましたね。これライブで頭振ったら気持ちいいだろうなあ...という曲です。

6曲目は「凌辱の雨」...これもシングル曲ですね。この流れで聴くと平和な曲です。改めて聴くとサビのメロディー綺麗ですね特に後半。あと、アウトロのギターかっこいいですね。

7曲目、ド頭からクールでおしゃれな雰囲気でビビりましたが途中からシャウト⇒へヴィな流れになって安心しました。このアルバムの流れで聴くとめちゃくちゃかっこいい曲ですねぇ。京くん以外で、こんなに1曲の中で多彩な声を出せる&演じ切れるボーカリストっていないんじゃね?と思わせてくれる曲。サビ(?)の『サイコキラー』が『最高級の』て聞こえるけどかっこいいからええんですよ。

8曲目もイントロが何となくおしゃれな洋楽風でビビる。ゆったりめの、終始モダンでヘヴィな感じ。繋ぎみたいな曲だけどサビのシャウト(てかサビはシャウトしかしてない)はかっこいいですね。

9曲目もおしゃれなイントロでビビる(さっきからビビりすぎ)。綺麗な水がガラス板の上を流れてるようなイメージの曲です。サビのメロディーは地味だけど歌詞がクリアに聴こえて、このアルバムの流れで聴くとみずみずしくて美しいです。いわゆる白系サウンドですね。DIRさんが白系をやるとこうなる...ていう曲です(でも最後ヘヴィになってシャウトしてるけどね)。貴重。

10曲目は名曲こと「THE PLEDGE」です。一言でいうと激しいバラード曲です。印象的な箇所を言うと、京くんのハイトーンはもちろんですが、メロディーの美しさよ...この1曲の存在感がすごい。9曲目からのこの流れ、いいですねえ。

11曲目は普通にかっこいい。ここでまったりヘヴィ路線にサラリと戻ります。メロディーに派手さはないけどサビは印象的で頭に残るし、個人的には大好きな曲です。アウトロのオリエンタルなギターもかっこいいですね。

12曲目、久々に早い曲が来て目が覚めます(寝てた訳ではないよ)。スタスタ系の曲をおしゃれな洋楽風にしたらこんな感じになりました、という曲ですたぶん。そこはかとなくマゴッツみがあります(マゴッツは4曲目のことですね)。京くんのシャウトのバリエーションが楽しめる曲でもありますね。

13曲目(ラスト)はシングルにもなった「CLEVER SLEAZOID」。こういうマニアックなアルバムをキャッチーなシングルで締めるという方針、凄く好きですわたし。これは分かりやすくかっこいい曲ですよね(歌詞はほぼ全部英語で何言ってるかワカランけどそこがいいのだ)。Bメロかっこいい曲選手権があれば推薦しまくりたい一曲。サビはもちろんかっこいいし、やっぱりメロディアスなDIRさん最高やん...ていう気持ちで胸が満たされて終われるのでこのアルバムの流れ、すごくいいですね。

ヘヴィなV系バンドにありがちな“洋楽路線に進む”という雰囲気が出てきて『あー、DIRさんもついにこういう方向に行ってしまったか...つまんないな...』て当時は思いましたけど、こういう転向ってバンドには必要だって分かってるけど、好きなバンドの音楽性が自分の好みではない方向に切り替わっていくのって、なんとも言えない寂しさがありますよね。この頃はもう海外でライブをバリバリやってた頃なので、こういう音楽性になるのは自然なことかもしれません。これが当時のDIRさんのやりたかった音楽なんでしょうね。でも、当時のわたしにはその良さが分からなくて、本作を機に再びDIRさんからは離れてしまいました。でもこうして時を経て聴いてみると『すげーかっこいい!』て評価が変わることもあるので、音楽ってホント面白いですね。